熱海温泉の湧きだし口は、東海道新幹線で熱海駅を出て三島方面へ行くとき直ぐにくぐる短いトンネル周辺にあると、以前紹介した。そのあたりを「野中山」という。こんもりした溶岩の固まりで、内部は今も冷え切っていないのだろう。「野中山」の周辺には、熱海七湯めぐりという名所(!)があって、7ヵ所で蒸気などをふき出している。その中に「小沢の湯」というのがある。
熱海七湯めぐり|熱海市公式ウェブサイト (atami.lg.jp)
七湯の中では比較的小さなものだが、丹那湧水の水栓と並んで上記の吹き出し口がある。面白いのは、そこに木の蓋が転がっていること。最初は戸惑うのだが、脇に書いてある注記を読むと謎は解ける。「卵は天神酒店で販売しています」とある。要するに木の蓋の中に生卵を入れておくと、ゆで卵(正確には蒸し卵)ができるというわけ。
このあたりの源泉の温度は100度近いから、その蒸気だけでも蒸し卵くらいはできるのだ。とはいえ、僕自身はそれを試してみたことは無い。その道路の反対側に、生卵を売ってくれる店「天神酒店」がある。隣に同じ「テンジン」と書いた電気器具店もあるから、このあたりの古い商売屋さんなのだろう。表の看板を見ると、
・生卵 1個30円
・生卵 10個270円
とある。なかなかいい商売のようだ。
実はこのお店、今となっては当家に一番近い酒屋さんである。しかし足を向け始めたのはつい最近、黒糖焼酎「れんと」や芋焼酎「さつま島美人」の1升瓶を買うようになってからだ。それまで「MaxValue熱海店」で買っていた僕らの好きな焼酎1升サイズが無くなってしまって、ちょっと困っていたから。有楽町の「ビックカメラ」なら売っているのだが、せっかく東京に行った日にはお肉を抱えて帰りたい。加えて1升瓶を買うわけにはいかないのだ。
それをここで見つけたので、やってくるようになった。2kgはたっぷりある瓶だが、マンションが近いので助かる。特に「さつま島美人」は、昔鹿児島のコンドミニアムに滞在した時に「島美人」という芋焼酎がとても気に入り、それに一番近い風味というので当家で愛用しているもの。それが「灯台もと暗し」すぐそばの酒店にあったのが嬉しかった。さて、こんなに寒いので、今夜は芋焼酎のお湯割りといきますかね。