Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

何回乗ったろう、夜行普通列車

 通称「大垣夜行」、最近は「ムーンライトながら」という正式名称が付いた快速列車が、とうとう廃止された。東海道線の東京~大垣間を一晩かけて走る(特急料金等の要らない)普通列車の夜行だった。僕の学生時代、それまで旅行などというものには無縁だったのだが、同級生に列車好き・旅行好きの人がいて、時々一緒に出掛けるようになった。

 

東海道線の夜行快速、運行終了 「ムーンライトながら」: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 彼のコンセプトは変っていて「遅ければ遅いほどいい」というもの。当然、急行・特急などはNG、ましてや新幹線など論外というわけ。加えて貧乏学生ゆえ宿泊費もセーブしたいとなれば、普通列車の夜行は理想の移動手段だったわけ。普通列車なのだから、当時からあった「青春18キップ」が追加料金なしで使えたのだ。青春真っ只中だった僕たち、時刻表を見て夜行の普通列車を組み込んだ旅程を必死に考えた。名古屋がベースの僕たちにとって、候補は3つあった。

 

大垣夜行(当時の名称失念) 大垣~東京間

・普通南紀 名古屋~天王寺間(ただし紀勢本線経由)

・普通山陰 京都~出雲市

 

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 名古屋~天王寺(大阪)なんて、新幹線を使えば1時間である。それを一晩かけて行くわけだ。それでも朝大阪にいたいような旅程を考えると、使いようがある。本当は紀伊半島の沿岸の景色のいいところを8時間以上かけて走るのに、車窓はまるきり見えないのだが。

 

 出雲市には、同級生数人のグループで一度旅行した。往復「山陰号」を使い、安い国民宿舎に1泊だけ、それでも立派な3泊4日の旅行である。出雲大社から日御碕まで、観光地を巡って写真を撮ったのを思い出す。午後名古屋を出て京都に夕方に着き、夜行に乗る。帰路は夕方現地を出て朝京都に着き、昼前には東海道線普通列車を乗り継いでも名古屋に戻れる。4日分の「青春18キップ」で運賃は全部OK。

 

 そんな感じで「大垣夜行」も何度か乗った記憶がある。記事の写真を見ると、最近の車体は特急「踊り子」のそれに似ている。あの車両なら、昔僕らが乗った垂直背もたれのボックス席のそれよりずっと楽に眠れたはず。

 

 もうさすがに乗る気力はないのですが、それでも廃止は寂しいです。青春の1ページが無くなったような、そんな気持ちになりました。普通列車の夜行・・・さようなら。