Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

まだPCR検査を誤解している

 先週の日曜討論、今年初めてということで各党党首が登場するというのでTVを点けてみた。前日から、菅総理が生出演するので見てくださいというアナウンスがあったせいもある。総理の政治手腕については僕は評価しているのだが、国民への説明についてはまだ改善の余地があると思う。「原稿棒読み」との批判も強く、それを意識してTVニュース番組に出演されるのはいいのだが、いろいろなトラブル(ガースー発言やNHK有馬キャスター更迭の噂)に見舞われている。

 

 だから日曜討論には期待したのだが、党首個別インタビュー形式だったのは拍子抜けした。「COVID-19」騒ぎを抑え込む、医療機関や「夜の街」の悲鳴をどう救うかなどの当面する課題だけでなく、今年秋までには必ずある衆議院議員選挙という政局も含めて各党党首の討論を聞きたかった。

 

 個別インタビューだったから、菅総理の発言は想定の範囲内で特に目新しいものはなかった。むしろ興味を惹いたのは、立憲民主党枝野党首と共産党志位委員長が「PCR検査拡充」を唱えたこと。2人とも無症状・潜在感染者のあぶりだしにPCR検査を使え、現状では全然検査数が足りないとおっしゃる。

 

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コロナ「国民一斉検査」論がナンセンスな理由 「なぜできないのか」と言う前に: J-CAST ニュース【全文表示】 (j-cast.com)

 

 国民全員にPCR検査をして、陰性の人だけで経済を回し、陽性の人は隔離するという主張は、この記事にある立憲民主党小沢議員の発言に代表されるだろう。この記事にあるように、専門家は国民全員への検査は1,000日かかると非現実的だという。かりに能力を100倍にしても10日かかり、その間に検査待ちの人から感染が広がる。

 

 加えて今の検査は、1~2割の誤判定(偽陽性偽陰性)が避けられないので、不特定多数から陽性者をあぶりだすのは現実的ではない。濃厚接触者の集団に対して陽性かどうかのチェックをするというのが通常の使い方で、それなら現状の12万件/日の検査能力でまるきり不足というわけではない。そのあたりは下記の記事で専門家の書を引用しておいた。

 

情報リテラシーを磨くこと - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 共産党はともかく、野党第一党党首がいまだに本件を誤解しているというのは問題ですね。支持率が伸びないのも分かるような気がします。