先週、国会で2年振りに「党首討論」が行われた。記者会見などで原稿棒読みと非難されていた菅総理に、論客の枝野代表が食い下がって追い詰めるシーンを期待していたメディアなどもおおかったのではなかろうか?結果としては、内閣不信任案を叩きつけるだけの失言はなく、まあ平穏に過ぎた。与党からしてみれば「総選挙前に党首討論を1度やりました」というアリバイ作りはできたように思う。各党の反応は、
・自民党 野党の質疑は気迫が無かった。
・公明党 首相は冷静だった。
・立憲民主党 オリンピック問題も会期延長もゼロ回答。
・国民民主党 首相は正しい現状認識と危機感がない。
・共産党 議論かみあわず、首相はひどい答弁。
・維新の会 首相は「答弁風」で終始。
のようなもの。ここで「答弁」という言葉が目立つ。あれ、これって「討論」じゃなかったっけ?確かに「討論」というよりは「国会質問」のような雰囲気だった。僕自身が聞いていて気になったのは、枝野代表が国会の会期延長を迫った時、菅総裁(あえて総裁といいます)は「それは国会でお決めになること」と躱したこと。これは行政府の長たる菅総理の発言でであって、与党党首である菅総裁の発言としてはおかしい。
党首討論はやはり歴史的使命を終えていた。悪いのは菅首相と枝野代表のどっち? (fnn.jp)
中小政党には時間が3分しかなく討論にならないという意見もあるが、そもそもこれって「討論」の体を成していない。だからこそ上記のように「党首討論不要論」が出てくるのだ。討論ならばNHKが「日曜討論」で時々やるように、各党の政策責任者を一堂に集めて話を聞く形態の方がマシである。あえて「朝まで生TV」に党首を集めろとは言わないが、「日曜討論」的に各党党首でやればいいのだ。
今回の党首討論、面白かったのは菅総裁が枝野代表に「立憲民主党は私権制限に慎重すぎる」と逆襲したときくらい。そもそも「立法」の場である国会で、「行政」の話ばかりしているというのも矛盾だ。国会の党首討論なら、与党が「こういう立法が必要」といい、野党が「それではダメだ、対案としてこう考える」というべきではないか。
「K字回復」で良くなっている産業もあるが、苦境にある業界・家庭も多い。「立法」の議論をしない国会なら、もっと「身を切ってスリムに」すべきではないでしょうか?