Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

郵政民営化への怨念

 またまた「竹中バッシング」である。僕も見ていたのだが前回の「朝まで生TV」で東洋大学竹中平蔵教授が「護られ過ぎている人(正社員のこと)がいる」と発言、企業経営者は「(容易に)クビにできない社員は雇えない」と付け加えてかねてからの主張を繰り返した。これに野党や一部メディアがかみついて、パソナ本社の前での抗議集会にまで発展したらしい。

 

https://blogos.com/article/496404/

 

 竹中教授の主張については、下記別ブログで僕の考えを含めて紹介をしているから繰り返さないが、企業が内部に余剰人員を抱え込んでいることは確かである。

 

https://nicky-akira.hateblo.jp/entry/2020/10/01/000000

 

 かつては日本企業のすべてが「メンバーシップ型雇用」をしていて、従業員は終身雇用という安住を手にする一方、自らやりたいことやるべきことへのアクセス機会を奪われる公算もあった。今大企業のある種の職場から「ジョブ型雇用」の実践が始まっていて、上記傾向は変化しつつある。現に僕がこの20年間デジにタル政策で付き合った人物には、一つの会社で生き抜いた人は少ない。社内転職を繰り返したとはいえ、一つの会社に籍を40年置き続けている僕などは「過去の遺物」である。

 

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 このような変化が多くの企業・職場に広がっていけば、企業がクビを切る/切らないの前に、従業員の方で去っていくようになろう。例えばロビー活動を強力に進めていた企業が、戦略を変えて政策分野への関与を小さくすれば僕のようなデジタル政策屋の出番は減る。だからクビにしたいのだが、諸般のルールで容易にクビに出来ないようでは(戦略変更の制約になるような)雇用はできないというのが、竹中教授の主張と思う。

 

 それにしても「竹中バッシング」は激しい。上記の記事の中に、懐かしいお名前を見つけた。元日本郵便会社副社長の稲村公望氏。元々郵政官僚でタフツ大フレッチャー校に留学経験がある人。僕はある時期、紹介されて仕事でお付き合いさせてもらったことがある。

 

 僕は当時から郵政民営化は当たり前のことと考えていたから、それが元で大げんかになるのではと周りは心配してくれた。結局は激突することなくお別れしましたが、今でも郵政民営化への怨念をお持ちだと確認できました。お元気ですね。