Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

三都物語

 維新の会は一旦はあきらめた「大阪都構想」実現に向けて、二度目の住民投票にこぎつけた。前回僅差で破れ、橋下市長が政界引退をしている。今回も敗れれば、松井市長は政界引退するという。前回反対の公明党が賛成に回り、自民党共産党がタッグを組んで反対を叫ぶなど、面白い戦いが始まった。れいわ新選組は反対で参戦、警察の制止を振り切るゲリラ演説を山本代表が行っている。

 

 ただ大阪に縁のない僕には、どうも争点が見えてこない。大阪府大阪市の二重行政や対立が問題というが、今は両方とも維新の会が知事・市長を占めていて、もっとソフトな協力体制構築も可能なように思うのだが。

 

 「都」になって大阪市が4つの「区」に分割されるとしても、ガバナンスは大阪府から利きやすくなるとはいえ、二重であることに変わりはない。市に利権が渦巻いていて無駄遣いしているというなら、もう少しその辺をストレートに教えて欲しいと思う。住民の反対の声を聴くと、税収が「都」に集中して「区」はおこぼれで生きていく羽目になるのではと恐れている。

 

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 もうすこし東に来ると「中京都構想」というのもあった。現在の大村愛知県知事が第一期の選挙で主張していた。やはり政令指定市名古屋市を解体していくつかの「区」とするもの。知事はトリエンナーレ事件などでリコール騒ぎにも巻き込まれていて、今は元気がないのかもしれない。しかし、名古屋市長と仲の悪い今こそ初心に返って「都構想」というのもありかと思う。

 

https://bunshun.jp/articles/-/40847

 

 さらに東に来て先達の東京都だが、こちらでは「政府直轄案」が飛び出した。提案者はメディアには叩かれ放題の東洋大竹中教授。「COVID-19」対策で東京都が独自の施策を打ち出せたのも、十分な内部留保あってのこと。隣県の知事が「ウチにはあんなカネはない」と嘆いていたのを思い出す。目標は多分この「資産」で、都を政府直轄にしてこれを有効活用しようということだろう。

 

 そういえば今年の都知事選の時竹中先生が、「重要な争点である都の資産民営化が語られていない」と言っていた。反竹中論者からは「何を寝言いっている」との批判もあったが、やはり「資産」はあるようだ。ただワシントンDCのような直轄地にするには、東京都はちょっと規模が大きすぎますかね。あちらは精々100万都市ですよ。