Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

AI時代にはBIが必要?

 「庶民派・たたきあげ」の印象が強い菅総理だが、その言動は市民に甘いポピュリストのものではないようだ。特に小泉改革以降、一部メディアに非難され続けている竹中平蔵東洋大教授とは密接な関係にあるという。首相就任早々、朝食を共にしながら意見交換をしている。

 

 「竹中叩き」の一部メディアによると、菅総理も「新自由主義者」で出身地秋田のなまはげのセリフ「なまけものはいねがー」というのが芯にある人だという。ちなみに厚生労働副大臣に就任した三原じゅん子議員も、かつては生活保護費切り下げの最先鋒だったと非難する向きもある。

 

 「COVID-19」騒ぎが当面どうなるかは別として、生活保護制度を含めた社会保障のあり方を考え直す必要があることは多くの人に理解されたと思う。特に「特別定額給付金10万円」は、それなりのインパクトがあった。これをきっかけに「ベーシックインカム(BI)」を検討すべきだとの論調が高まっている。

 

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62169

 

 古来「シットダウンマネー」としてモラルハザードを起こさせ、労働意欲を衰退させ、結果として経済全体を衰退させると言われていた。しかし就労機会が大規模に限られてくるようになると、多様で複雑化した個別の市民支援制度をリセットしてBIに一本化すれば安定した保障や関連コスト削減につながると思われる。

 

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 ではどのくらいの財源が必要かと言うと、1人5.5万円/月(4人家族で22万円)支給なら、年間80兆円が要る。この記事では、生活保護国民年金・児童手当・雇用保険を廃止して約30兆円捻出でき、所得税基礎控除廃止で約20兆円、残る30兆円は消費税を10%上げることで賄えるという。記事では消費増税は難しいとあるが、それこそ福祉目的税である消費税だし、欧米なら25%にしている国もないわけではない。

 

https://nicky-akira.hateblo.jp/entry/2020/09/17/000000

 

 加えてデジタル社会への変化で、方々にAI(人工知能)が導入されると人がしなくてもいい仕事も増えてくる。先日別ブログでだが、AI時代にはBIが必要だとの書を紹介した。この書にある所得増税64兆円は無理だと思ったのだが、消費税25%なら可能性はある。この議論、メディアも真摯な姿勢で向き合ってもらいたいと思います。