あまり意識している人はいないと思うが、10年前の東日本大震災からの復興に必要として、所得税には「震災復興税Option」が加わっている。そろそろ終わってくれないかなと思うのだが、そこにまたマグネチュード7.3の「余震」がやってきた。僕のこころを見透かされたようで、ちょっと怖くなった。
今はもうひとつ別の国難、「COVID-19」禍である。特別定額給付金・雇用調整助成金・持続化給付金・営業短縮の協力金など、多くの名目でお金が市中に回っている。もちろんそれで助かったという人・企業もいるが、家計貯蓄に回っただけというケースも多い。その結果、国の財政赤字は1,200兆円を越え、国民一人当たり約1,000万円の借金ということになる。この金利支払いも、税金で賄わないといけない。僕はMMT理論には与しないので、財政健全化に取り組んでほしいのだが、大きく方針は2つある。
1)増税、コロナ復興税として例えば消費税15%
コロナ復興で消費税15%なら全世代平均で年間22万円超の負担増 | マネーポストWEB (moneypost.jp)
この記事自体が「お金配れ!」への脅迫(配ってもいいけど消費税上げるよ)になっているという人もいるが、これは下衆の勘繰りというもの。
2)財政支出の大幅なカット
伝説の投資家ジム・ロジャースなど特に海外の財界人・経済学者からは、この意見が多い。それは日本政府の予算が、経済振興に十分な効果を産んでいないから。
効果がない・・・ならカットするのが財務省の仕事のはず。それがなぜ生き残るか、先日ある省OBと本音トークをしていて、からくりを教えてもらった。
・官僚は自省の権限を増すと褒めてもらえる。
・だから厚労省の食品の「消費期限」がある上に、農水省は「賞味期限」を作る。
・財務省もムダとは知りつつ、査定権限を維持拡大するため見逃す案件もある。
・財政赤字が膨らみ危機になれば、対応できるのは財務省だけ。権限が増える。
かつて民主党政権ができた時、大臣が「自民党と違うところを見せるため、ここを増やせ」と言うと、財務省が「ではどこを削りましょう?」と応じ、勉強不足の大臣は腰砕けになったという。
家計なら「入るを計って、出ずるを制す」なのですが、国政が2)の財政カットができない理由は、政治家も好まないし財務省も好まないからということです。ちょっとこの底なし沼、困りましたね。