もう10年以上前のこと、霞ヶ関ビル近くの道路沿いに「霞山ビル」という8階建てくらいの古いビルがあった。電子行政の話をする会を定期的にやっていたころで、その会合の多くがこのビルの会議室で行われた。その会合に出るとき、ビルの階数表示に「霞山会館」という文字があったことを覚えている。
民間からある省に「CIO補佐官」として入っていたベテランの方によると、由緒あるクラブだとのこと。会合は半年に及び、会合後たまには呑みに行くこともあったのだが、結局一度も「霞山会館」ののれんをくぐることはなかった。
そのビルを含めてこのあたりは完全にリニューアルされてしまい、霞ヶ関コモンゲートという巨大なビルの前庭のようなところになってしまった。コモンゲートには民間企業のほか、金融庁や個人情報保護委員会も入っている。今回、ある会合をこのビルでやるとの案内をもらった。昼時にかかるので、昼食を用意しますとのこと。で、場所の名前は・・・え?霞山会館?
全くの偶然だが、この会合も電子行政の推進に関わるものだった。10年前に前を素通りし続けた伝統のクラブに入れると思うと、何か因縁めいたものも感じた。
高層階用のエレベーターに乗って指定された階まで行くと、雰囲気は「クラブ関東」に似ている。ただこちらは30階以上、眺めは「虎ノ門ヒルズ」最上階のホテル並みにすばらしい。
ほんの15名ばかりの会合なのに、こんなところを用意してくれた主催者には申し訳ないのだが、すっかり雰囲気に癒されてしまい、ただお弁当を待つだけの情けない状態になっていた。約2時間の会合も終わりに近づき、運ばれてきたのがこれ。