Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

何をしても「分断」は残るか

 急転直下の「困窮世帯に30万円から一律10万円へ」の方針転換から、ちょっと頭を冷やす時間が過ぎた。30万円給付策が不評だった要素はいくつかある。

 

・受給条件の確認など手続きに時間がかかる

・世帯という単位で、世帯主収入が判定材料

生活保護レベルなど受給の条件が厳しすぎる

 

 批判する人たちが良く使う言葉に「分断」というものがあった。受給の条件がややあいまいなこともあって、「あいつが貰えて俺はなぜだめか」という怨嗟の声が渦巻くだろうということ。

 

 そこで「選別の罠」に陥らないように、国民一律が必要だとの意見だった。これで国民の「分断」を防ごうということだ。僕はスピードが最大の問題で手続きを複雑にしないために一律と思っていたのだが、安倍総理はどちらを重視したかはともかく「一律」へと舵を切った。

 

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 ところが麻生財務大臣副総理が「給付は申告制、富裕層には受け取らない人も」と述べて、また批判の声が巻き起こった。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200417-00173722/

 

 NPOの理事だというこの人物、困窮している人たちの支援をずっと訴えている。自民党二階幹事長が「一律10万円」と言い始めると、「頑張れ幹事長」とエールを送っていた。一律のはずなのにいろいろな制限をいう人たちが出てきて、

 

生活保護受給者は外せ

・外国人は受給対象外

・国会議員、公務員は辞退するべき

 

 などというもの「新しい分断」だと危惧している。さらに経済同友会桜田代表幹事が、「消費力を維持するため、給付は電子マネーが望ましい」と発言したことに「国難の時期に恥ずかしげもなく」と激怒し辞任すべきだと締めくくっている。 

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200417-00173731/

 

 桜田代表幹事とこのNPO理事の認識相違は、昨日紹介した「経済政策か社会保障政策か」の違い。財界人は、政府と経済政策を議論している。だから給付もその一環と考えている。もちろんNPO理事さんは社会保障政策だと思っているから、相いれないのだ。僕も経済財政担当の西村大臣が本件の責任者だから経済政策の色合いが濃いと思っている。

 

 結局国民一律にしても、経済か社会保障かで「分断」してしまいました。「融合」は無理でしょうか?