Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

もうハンコやめませんか?

 先日「コロナ禍」の間だけではあるが、長年懸案だった「遠隔初診」をOKしてもらった例をご紹介した。医療分野のデジタル化にあたり「初診だけはダメ」と言われ続けて、正直あきらめていたから「コロナ禍」に苦しんでいる皆さんには申し訳ないが、朗報だと思っている。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/04/07/140000

 

 政府も「テレワーク」を薦め、出歩くなと言う。それなら仕方ないと僕などは熱海の自宅に籠ってしまい、東京の新規感染者数など知らず静岡の感染具合ばかり気にしている。僕の会社だけではなくいろいろな企業が「テレワーク」を実行していて、デジタル系、外資系の企業では事実上の「出勤停止」に近い運用をしているところも多い。

 

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 テレワーク中にも社内の活動状況、特にコロナ対策会議の結果などは適宜入ってくる。曰く「Skype会議の結果は・・・」「業界団体とのリモート会合で・・・」という具合。もちろん種々の通達もどんどん廻ってくる。その中に、

 

 「社長印押印の手続き改定」

 

 というものがあった。対外文書に社長印を押印する場合はxxの手続きに従って申請し、xxまで出向いて押印するようにと書いてある。なるほどそのためだけには「出社」しないといけないし、社長印を管理している部署では最低一人は「出社」しているわけだ。テレワークとか文書電子化といっても、まだハンコが残っているのかと改めて思った。

 

 かつて「建築強度偽装:通称姉歯事件」を受けて「一級構造建築士」なる資格ができ、その建築士のハンコがないと建築申請できないように規制強化されたことがあった。おかげでそれまで電子申請できていたのに、電子データを送りその上印刷した図面も送って申請するという事態になった。

 

 今でも弊社ではそんなことしているのだと、実業を離れて久しい僕は感慨に浸っていた。すると外資系コンサルの友人が「ウチでもハンコの扱いは同じで、出勤することになります」という。特に霞ヶ関や都庁に納入する物件には、押印が必須なのだそうだ。

 

 なんともやるせない気持ちだが、「デジタルファースト法」が成立してまだ1年たっていないのだからと自分を慰めた。同法に尽力した平井前IT担当大臣を引き継いだのが「ハンコ議連」の会長では・・・致し方ないでしょうかね。