Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ああ蒲田駅

 今回出張の帰り道、羽田空港から京浜急行に乗った。まあこれは普通のことではあるが、京急羽田空港国内線ターミナル」から乗るのに、成田空港行きの快速特急にちょうど出くわした。羽田・成田の2つの空港については、いろいろな議論がある。以前からある業界団体は、「羽田・成田の一体運用と両者を結ぶリニア新幹線」を提案している。

 
 羽田の国際線機能を都心からやや離れた成田に移すにあたり、東海道新幹線を成田まで延伸させるというプランはあったようだ。以前、道路公団民営化委員会の委員から中村英夫教授(国土計画関連の重鎮)ある業界の現況会で教えてもらった。僕が子供だった頃、成田闘争というのがあって大変な紛争になった。今でも成田空港の真ん中に私有地があるようで、これが空港のオペレーションの妨げになっているらしい。その後、扇国土交通大臣が羽田の利便性を言って、物議を醸したことがある。
 
 そりゃ羽田の方が便利だし、政府専用機は羽田発着だ。しかし千葉県と成田市などは、あれだけの紛争を乗り越えて成田を盛り上げたのに、羽田回帰は許せないと思うだろう。そうは言っても羽田の利便性は動かしがたく、国際線の羽田便も増えてきた。これはこれで利用者としてはありがたいことである。さて羽田空港への移動手段だが、通常バス・モノレール・京急に限られるだろう。
 

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 バスとか京急では、キーポイントになるのが蒲田である。東京23区でありながら下町の風情が残る蒲田エリアだが、鉄道としては、京急蒲田とJR蒲田に分断されている。この間を東急線が延伸するという話もあるが、用地買収など難しい課題があるだろう。
 
 今回羽田空港から乗った京急の成田空港行き特別快速は、15分で品川駅に着いた。恐ろしい速さである。理由のひとつは蒲田駅を通過すること。羽田空港線の、糀谷や大鳥居などを通過するだけでなく乗換駅蒲田まで通過する列車ができたことに地元は反発したようだ。いわく「高架工事中の不便などで協力したのに、裏切り行為だ」というのもわからなくはない。
 
 ただ品川区などの上空飛行を認可した国交省としては、羽田重視の姿勢を見せたのだろうし、利用者の利便性から言うとこれは正しいと思う。羽田に集中して成田は貨物専用にしてしまえなどという極論ではなく、羽田の利便性を十分活用できる施策を旅行者として望みたいですね。