Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

糸川遊歩道

 熱海市街中心部には、市役所の建物を挟むようにして2本の川が流れている。東側を流れるのが「糸川」、西側に「初川」。太い方の「初川」の河口近くでも、5mの川幅はないだろう。細い方の「糸川」は、樹齢2,000年の楠で有名な「来宮神社」から流れ下ってくる。

 

 神社の辺りはかなりの急坂、水量はさほどでもないが激しく流れ落ちてきてイオンをまき散らしている。そのイオンが、楠の長寿に効いているという。川は熱海の中心市街地で「熱海銀座」の近くまで来ると、多少流れを弱める。そこから150mほどの川沿いの坂道が、「糸川遊歩道」として整備されている。

 

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 「フジヤホテル」と饅頭屋「延命堂」の交差点あたりから、遊歩道が始まっている。そこまでの急流に比べると、少し傾斜が緩やかになっているのがわかる。遊歩道にはところどころベンチが設けられていてタコやカニのオブジェがあったり、橋にはギリシャ神話風の装飾を施した欄干も設置されている。ただ周辺のお店は熱海が歓楽の町だったころの名残で、ショットバーだったり焼き鳥屋だったり、夜の飲食店が多い。

 

 熱海の冬は遅い。川沿いに植えられた草木には、まだ花をつけているものもある。両側から枝が張り出して、川の上で交錯するくらい川幅は狭い。川というより、深く切れ込んだV字型のクリークのように見える。それでもこの2カ月ほどの豪雨では、かなり水位が上がってきたと付近に住む人から聞いた。幸い氾濫はなかったようだが・・・。

 

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 桜の植樹もされているので、春には「糸川桜まつり」も開催される。国道135号のバス停までくると、遊歩道は終わり。あとは平地だから、川はなだらかな流れとなって熱海港に注いでいる。

 

 135号沿いには空き地が広がっている。ここも大きな旅館が取り壊された跡地で、まだ再開発計画が立っていないようだ。人出が戻ってきたとはいえ、このような「一等地」にも空き地があるのが熱海の現状。見上げると周辺の山の中腹に少しだけ紅葉が見られる。冬の遅い熱海にも晩秋がやってこようとしていますね。