Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

熱海御用邸跡地

 今、熱海市役所や古式ゆかしい旅館、スーパーマーケットなどがある広大なエリア。ここはかつて、大正天皇明治天皇の皇太子であった明宮嘉仁親王)の避寒のために建てられた「御用邸」があったところだ。皇太子は虚弱体質だったので、特に施設が必要と考えた側近が、岩崎弥太郎から2,600坪以上の土地を譲り受け、周辺の土地700坪余りを買い増しておおむね平屋の御用邸を建設したという。

 

 完成したのは1889年、当時はまだ鉄道が熱海までは来ておらず、小田原から側近が付き添って人力車で皇太子は御用邸入りした。皇族も先を争って御用邸付近に別荘を建てた。現在老舗旅館やその跡地に立ったリゾートマンションなどは、皇族の別荘だったところも少なくないと聞く。御用邸自身にも「大湯」の湯が引き込まれていたし、これらの別荘では個別に温泉を掘っていたところもある。

 

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 御用邸そのものは、1928年に廃止されたが、それまでは昭和天皇秩父宮高松宮もよく滞在していた。廃止後、跡地は熱海市役所に払い下げられ、現在に至っている。今その面影を残すのが、市役所に隣接する「花ひろば」。ここに御用邸跡の石碑が建っている。小さな広場だが、常時花壇の花が整備されて、市民の目を楽しませてくれる。ベンチの上にはブーゲンビリアの木が覆いかぶさるような「屋根」があって、この時期赤い花をたわわに付ける。

 

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 もう散り始めていて、前日に強い雨が降ったせいか、ベンチの上やその周りに花びらが敷き詰められたように散っていた。先日「ジャカランダ祭り」の紹介をしたのだが、熱海では南国の花がよく育つ。ブーゲンビリアも街のそこかしこ、糸川沿いや初川沿いでよく見かける。

 

 今日のランチは市役所に隣接した商店街で食べることにしよう。ここには熱海一の酒屋「近江屋」など、有名店も多い。さすがに大正天皇御用達と言うわけではなかろうが。以前紹介した「新広楼」を通り過ぎて、最近おなじみになった「家系ラーメン田中家」に入った。

 

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 W炒飯の量に驚いたので、今日はシングル炒飯を注文。5~6分待たされたけれど、熱々のスープとともに塩炒飯が運ばれてきた。いろいろな店で(好物の)炒飯を食べたのだが、熱海の店ではここが一番。美味しくいただき、お腹も満足しました。大正天皇も、これは美味いと仰っていただけるのではと思いました。