Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

Biebrich城への旅(3/終)

 広大な庭園に比べると、城館の方はもうひとつ風情が足らなかった。白壁に濃いめに茶色に塗った柱で、シンプルでのっぺりとした建物だった。城館の目の前をラインガウ通りという片側1車線の道路が通っていて、バス停もある。川沿いの遊歩道のようなもののあるのだが、観光地というより普通の街だ。


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 平日の昼間だからか、人通りはあまりない。遊歩道を歩いていくと、船着き場がいくつかあった。そのうちのひとつが、以前紹介したケルン・デュッセルドルフ会社のもの。この同じ桟橋は、何年か前にデュッセルドルフで見かけている。
 
 この船着き場(Wiesbaden-Biebrich)は、マインツを出たライン下り船が最初に停泊するところ。所要時間は20分と、トーマスクックの時刻表にある。ちなみに、マインツ発8:45の船は20:00に終着ケルンに着く。11時間以上かかるわけで、日本とドイツの間のフライトにも匹敵する大旅行だ。
 
 ライン川遊覧船には25年ほど前ドイツに出張を繰り返した短い時期、一度だけ乗ったことがある。アーヘンの街から帰国する友人を送るついでに、コブレンツからサンクトゴアズハウゼンまで船で上った。3時間あまりはかかったと記憶している。この間は、有名なローレライを含む風光明媚なところだった。
 
 ライン川に背を向け巨大な教会の脇を抜けて、マリエン広場まで戻ってきた。街の造りからみて、ここがBiebrich城(離宮)の外郭にあたる街の中心だろう。古い教会の前にちょっとした広場がある。水飲み場にはマリア像が立っていて、赤いバラが飾られていた。

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 ヴィースバーデン東駅まで戻りフランクフルト方面行きのSバーンを待っていると、S1ではなくS8の列車がやってきた。この列車はこの駅の先でS1と別れ、マインツ市街とフランクフルト空港を通る。帰りは違う路線もいいと思って乗り、数分でマインツ中央駅に着いた。
 
 今度来た時は、ここまでSバーンできて1kmほど離れた船着き場に行けばライン下りの船に乗れるだろう。いい下見になったなと思っていたら、次の駅「Romisches Theater」でびっくりするものを見た。駅の名前がローマ劇場なのだが、本当に駅に隣接してローマ時代の劇場跡があったのだ。
 
 フランクフルトにもローマ時代の遺構が少し保存されていたが、これはかなりの規模である。ローマ帝国ってとても巨大だったのやねと思い、またこちら方面に来たくなりました。