Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

個人データ活用事例(前編)

 結局「Society5.0」も、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」も、新しいデータの使い方を考えて、それを実践に移すことだと何度か申し上げてきた。ところがこれが難題なのだ。

 

 ・データにアクセスできないようでは始まらない。

 ・集めてみたが、フォーマットやID体系がバラバラ。整理に時間がかかる。

 ・たくさん集まったものの、本当に経済的にペイするデータはめったにない。

 ・そこまで頑張っても「炎上」したら終わりなのだ。

 

 データの話も、デジタル機器と同じでシーズから発想するとうまくいかない。成功する秘訣は、ニーズ側から追いかけること。こういうデータを使えば、いままでできなかったコレができる。あるいはずっと効率的にできるようになる、なら求めるデータはどこかにある・・・かもしれない。

 

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 今やどんなサービスもグローバル展開を考えるのは当然だから、データ活用もグローバルになるのは当たり前。その素地も他の分野より整っていると思う。そこで僕は「大阪トラック」のいう国際的なデータ流通のルールづくりに非常に期待しているのだが、ここでも「具体的にどんなデータをどう使うのか」ということからスタートしないと、空理空論ばかりが飛び交うことになる。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/08/01/140000

 

 そういうことを上記の記事で主張しておいたのだが、具体的なことは政府ではなく産業界が考えなくては始まらない。そう思っていたら、経団連が「Society5.0実現に向けた個人データ保護と活用のあり方」という提言を発表した。趣旨は、個人データはSociety5.0実現のために欠くことにできないもの、個人の権利を守るのは当然として社会のために使うべきだというものだ。ここで終わればいままでの主張と変わりがないのだが、今回は提言に付属資料がついてきた。それが、「個人データ活用事例」で、17件の事例が集められている。

 

<続く>