Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

B20デジタルタスクフォースの提言

 昨年のG20は「データを持ち出せない国」のひとつサウジアラビアが議長国、残念ながら前向きなデジタル政策の議論は望めなかった。しかし今年はG7国のひとつでもあるイタリアが議長国、少しはデジタルにも目を向けてもらえることを期待している。G20に先立ち、産業界の会合B20が開催されて、9つのテーマで議論が行われ提言に繋がった。今回9つのうちの4つ(ヘルスケア・エネルギー・貿易投資・デジタル)についての説明会があった。

 

 ヘルスケアについてもデジタル化の流れは当然強く、データを活用してサスティナブルな医療体制を構築するなどの提言になっていた。エネルギー・貿易投資でも似た傾向である。では僕らの本丸「デジタル革新タスクフォース」の提言はというと、DXは持続可能なグローバルエンジンだと位置づけ、経済成長の主力であり気候変動やパンデミックと戦うのに不可欠なものと最初に述べている。ただ問題もあって、ネットワーク(資源)やスキルの格差・セキュリティへの懸念・(DXに対する)投資や意識の低さも散見されるという。そこで具体的提言が4項目、

 

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1)インターネット接続の不平等をなくす

 世界規模のネットワークを、固定・モバイル・衛星など最新技術を用いて、大容量化と地域拡大を実現する。発展途上国を含めて、技術へのアクセスを可能とするような、官民協力が重要。

 

2)デジタルエコシステムによる信頼獲得

 公正な競争のため規制原則を簡素化する。多国間の対話を活性化させ、サイバー空間での国家の責任ある行動を求める。サイバーセキュリティと個人情報保護に対する強固なフレームワークを構築する。

 

3)官民協力による技術発展

 AI、IoT、クラウド等の発展・普及、量子コンピューティングのような先端技術の登場にあたり、長期的な市民参加による市場主導型のR&Dを促進。デジタル技術に対する官民のR&D投資を再編成する。

 

4)デジタルが組み込まれた社会の実現

 官民協力によりデジタルGAPを克服する国家戦略を定義する。個人のスキル格差も目立つ今、スキルアップのためのカリキュラムを充実させる。

 

 となっていた。提言は「ポリシーがあればコロナ禍からの回復、DXによる発展も可能」と結んでいた。中国・ロシアも入ったG20への提言、どこまで具体的なOUTPUTに繋がるでしょうか?