前編で紹介した3種の戦車は、日本軍相手ならともかくよく訓練され装備も整ったドイツ軍には通用しなかった。1941年8月に「バルバロッサ作戦」としてドイツ軍がソ連領に攻め込むと、ソ連軍は各地で敗退することになった。しかしごく少数の新型戦車が、ドイツ軍の前に立ちはだかることがあった。
スターリンが用意していた、新型戦車を見てみよう。右から順に、
◆KV-Ⅰ戦車 1939年型
兵装:主砲76mm砲、車体機関銃(火力2)、同軸機関銃(火力4)、後方機関銃(火力2)
装甲は厚い(正面8・側面他8)
移動速度:12ヘクス/ターン
重戦車である。移動力は大きくないが、重装甲と大口径主砲でドイツ軍の3号戦車程度は寄せ付けなかった。ドイツ軍は無線機を使って戦車間の連携をとり、キャタピラを狙うなどしてようやく止めることができた。個車の性能では圧倒していたKV-Ⅰだが、配備数も少なく単独で戦う状況では長く抵抗することはできなかった。
◆T-34戦車 1940年型
兵装:主砲76mm砲、車体機関銃(火力2)、同軸機関銃(火力4)
装甲はかなり厚い(正面11・側面他6)
移動速度:17ヘクス/ターン
中戦車として設計され、KV-Ⅰ同様1941年に配備が始まったばかりだった。重戦車より正面装甲が厚いのには、わけがある。避弾経始(*)を採用しているからである。装甲がナナメになっているため、砲弾をそらせて弾く可能性がある。また、ナナメになっている分、垂直になっている場合より実質的な装甲厚は大きくなる。
また幅広のキャタピラを採用していて、泥の中でも機動性を確保できていた。
◆T-34戦車 1941年型
兵装:主砲長砲身76mm砲、車体機関銃(火力2)、同軸機関銃(火力4)
装甲はかなり厚い(正面11・側面他6)
移動速度:17ヘクス/ターン
主砲が長砲身(ゲーム上ではLの文字がついている)に換装されている。
◆T-34戦車 1943年型
兵装:主砲長砲身76mm砲、車体機関銃(火力2)、同軸機関銃(火力4)
装甲はかなり厚い(正面11・側面他6)
移動速度:16ヘクス/ターン
76mm砲搭載の最終型。主砲の発射速度が向上し、足回りの安定や、若干の装甲増加が見られる。
これらの「怪物」が、ロシアやウクライナの地で戦いを繰り広げたのである。