Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

大戦後期米軍のAFV(前編)

 遅れて第二次大戦に参戦した米軍ではあるが、参戦前に事実上の兵器量産・開発・改良体制には入っていた。ルーズベルト大統領は、欧州大戦への不参戦を公約に3選した。しかし民間企業はそんな公約にはお構いなく、兵器や軍需品の生産に励んでいる。自国が参戦しなくても、お客様はいくらでもいるからだ。

 
 以前「偉大な凡作」と評した主力戦車M4シャーマンについても、それを支えるAFV群が開発・量産されていた。ジープやトラック、ハーフトラック、上陸用舟艇などの生産も急ピッチだったが、今回は戦車に近い形態をしたAFVを2回にわたって取り上げてみたい。右から順に、

    f:id:nicky-akira:20190424054846p:plain

 
◆M4(105mm砲搭載型)
 兵装: 105mm榴弾砲、車体機関銃(火力2)、
    同軸機関銃(火力4)、対空機関銃(火力4)
 装甲はやや厚い(正面11、側面他4)
 移動速度:13ヘクス/ターン
 
 主砲が榴弾砲なので、徹甲弾は撃てない。対戦車能力は低いが、機関銃座や建物に籠る歩兵を撃退するには適当な砲である。機関銃火力も十分で、M4本来の「歩兵支援」には高い能力をもっている。しかし、正面はともかく側面の装甲は厚くないので、敵に戦車がいると困ったことになる。
 
◆M7自走砲(プリースト)
 兵装:105mm榴弾砲、対空機関銃(火力4)
 装甲は「紙」のよう。(正面3、側面他1)
 移動速度:14ヘクス/ターン
 
 オープントップだし、装甲はないに等しい。ある程度の距離をとって、敵の機関銃座や建物に籠る歩兵を狙うのが一番いい使い方。小口径でも対戦車砲が敵にあれば、容易に射点につくことはできない。それでも、105mm砲の威力は絶大なので、前線指揮官としてはあればうれしい支援火器である。その主砲は固定式なので、射界を変える場合は車体毎廻さないといけない。
 
◆M10対戦車自走砲
 兵装:長砲身76mm砲、対空機関銃(火力4)
 装甲は厚くない。(正面8、側面他3)
 移動速度:15ヘクス/ターン
 
 オープントップであることには変わりはないが、主砲が回転砲塔に搭載された。76mm砲は優秀なカノン砲で、連射性能も高く相手がハードターゲットなら、相当役に立つ。それでも戦車ではないので、近接突撃などしてはならない。ところが現場では、戦車の形状に似ているのでそのように扱われて犠牲を出したともいう。
 
◆M36対戦車自走砲
 兵装:長砲身90mm砲、対空機関銃(火力4)
 装甲は厚くない(正面8、側面他3)
 移動速度:15ヘクス/ターン
 
 M10の後継機で、ほとんどのAFVを破壊できる90mm砲を備えている。それでもオープントップであるから、近接突撃などの使えないことに変わりはない。
 
<続く>