前夜のパーティでもうすでに多くの外国人と会話することになり、脳が腐り始めている。欧州から来ている人の多くは英語が母国語ではないから、まだわかりやすいと思っていたのだが、例外はあるようだ。紹介されたフランス人の英語がさっぱりわからない。ズルズルした語感で、こういうのをフランス語なまりというのだろうか。
それで、「CYDEF2019」は今日からが本番。最初の2日間は、六本木にある政策大学院大学で講演やパネルディスカッションが行われる。僕は1230から始まるセッションに出るのだが、実はこの日もうひとつの国際会議が開催されている。「日米インターネット・エコノミー政策協議」という、もうあしかけ10年続いている日米・官民の会合だ。政府間会合の間に、日米産業界を入れた官民会合が同じ場所で行われるのが特徴。その場所は日比谷の帝国ホテル、官民会合の開始は1400である。
六本木のセッションは1400までかかるので、どうしても帝国ホテルの方は30分くらいは遅刻することになる。仕方ないなと思っていたら、六本木のセッションのモデレータの名前が帝国ホテルの会合のメンバー表にもある。「国際会議のハシゴ」をするのが僕だけではないことが分かって、ちょっと安心した。
六本木では米国産業界の人、欧州の業界団体の人が僕と並んで短いスピーチをする。いつも思うことだが、リスク管理のようなものについての悩みはどの国でも同じだ。
・回収できる投資ではないから、お金が廻ってこない。
・どこまでやっていいかわからず、キリがない。
・(攻撃者側の)状況は刻々変わり、対処が後手に回る。
モデレータが器用に議論をさばいて、会場からの質問も活発でいいセッションになった。その後聞いてくれた人たちと名刺交換したり追加の話をしていたのだが、僕も(モデレータの)彼女も次の会合が待っている。
二人とも出番そのものは1600からのコーナーだからと、一緒に千代田線に乗って帝国ホテルに向かった。同時通訳付きとはいえ、英語脳は大部消耗している。それでももうひと踏ん張り・・・。今夜のレセプションパーティでは、もう外国人とは話さないぞと決意を込めて、帝国ホテルの会場に入りしました。