Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ホームドアの普及に向けて

 この1年ほど前から、東京メトロ銀座線に乗ることが増えた。丸ノ内線と並んで古い路線で、プラットフォームも短く車両は6両編成である。この両路線を簡単に乗り換えることのできる赤坂見附の駅は、なかなか趣があっていい。それでも古い路線ゆえだろう、狭くて使い勝手の悪い部分も多い。

 
 オフィスのある東京駅から溜池山王駅に行こうと思うと、JR山手線で新橋までいき、銀座線に乗り換えて溜池山王下車と言うのが普通思いつく。しかし僕は、丸ノ内線赤坂見附までいき折り返して溜池山王に戻ることが多い。その理由は、新橋駅での乗り換えがいやだったから。
 
 東京メトロの新橋駅は狭くて、特に虎ノ門方面へのプラットフォームはすごく危ないと感じていた。幅が1mほどしかないところがあって、2人すれ違うのがやっと。線路に転落しそうになったこともある。ところが今回久しぶりに行ってみると、あの狭い空間にホームドアが設置されていた。
 
 正直「よく設置できたな」と思ったのだが、これで転落事故が防げると安心した。このようにあると嬉しいホームドアだが、全国的には普及が進んでいないという。首都圏では新橋駅だけでなく次々設置されていると感じていたので、その意見には違和感を持った。

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 要は事故防止等(実は自殺抑止が大きい)に効果があるホームドアだが、鉄道事業者側の費用負担が大きいため普及速度が遅いのだということ。そこで政府が利用者負担(要は運賃値上げ)で設置を促進することを考えているという。利用者アンケートでは値上げに対しても「賛成」が多いというが・・・。
 
 安全・安心のためと言われて、面と向かって「反対」と言える人はある意味勇気があると思う。2%の消費税上げでも国会が大荒れになるくらいなのだから、消費者の本音は反対が多いように思う。もちろん政府が指示しての値上げというのは、民間の自由な事業運営をないがしろにするもので好ましくない。事業者さんが考えて必要なところには設置するべきだ。
 
 その路線にはその路線なりの事情もあるので、単純な普及率競争にはしてほしくない。けれど自由競争だけだと、地方置き去りという意見も出てくる。難しいところですね。