Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

400円ランチの攻防

 リンガーハットが餃子をメインにした「350円セット」を発売している。看板メニューの「皿うどん」や「ちゃんぽん」は600円ほどだから、400円を割るメニューにはできなかったので、サイドメニューの餃子を活用したものと思われる。かつては「とくちゃんぽん」と称してワンコインメニューを出していたのだが、いつの間にか無くなってしまっていた。

 

 「リンガーハット」に限らず外食チェーンでは目に見える/見えないは別にして、値上げが続いている。長期の円安が影響している原材料もだが、人件費の高騰が大きい。「小諸そば」の夏の満腹メニューである「二枚冷やしたぬき蕎麦」も370円だったものが、昨今は400円である。

 

 ワンコインランチを意識して街を歩いていると、各チェーンのアイキャッチメニューは400円に「壁」が存在しているような気がしてくる。牛丼チェーン各社の「並丼」は大体380円で、これが象徴的なのかもしれない。「牛丼より高いか、安いか」が消費者の判断材料になっているのではなかろうか。

 

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 400円の象徴的なものがもうひとつ、「日高屋」の「中華そば」である。僕の記憶にある限り、ずっと390円。消費税が5⇒8%になった時も、その他のメニューは価格改定したのに、「中華そば」だけは390円を頑固に維持した。写真は今回ランチで立ち寄った新橋駅西口のお店で食べたもの。

 

 会計の時必ずくれる大盛り無料券を使って、大盛り(1.5玉)にしてもらった。あっさりしたかつおだしで、小振りのチャーシューが3枚とメンマが少々。あとは少しの刻み葱が入っているだけのシンプルなものだ。特段品質や具材の量を落としているようには思えないので、どうやって390円を維持しているのかと不思議に思った。

 

 このお店はカウンターに15人くらいと、奥のテーブル席に12人くらいで満席になる広さ。午後1時を回っても、おおむね満席に近い状態だ。ゆっくり食べながら他の客の注文や、会計の状況を聞いていた。どうも「中華そば」単品を食べているのは僕だけだと気づいた。ある人は「野菜いため定食に生ビール」、別の人は「冷やしつけ麺」。会計の金額も、700~800円くらいが普通だ。

 

 なるほど、アイキャッチは「390円中華そば」でも、実際の売れ筋は別のところなのだ。心理的に400円の壁があって暖簾をくぐるのだが、そのうちに慣れてきて「たまには別のもの」と思う。それで600円以上の固定客になってくれればしめたものということだろう。さて、そうだとして10月には消費税上げが来ますよね。このメニューが400円になるかどうか、注目していましょう。