Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

GSOMIA破棄、その次に来るもの

 日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を韓国政府が発表して、2日ほどたった。自衛隊出身の日本の有識者たちは、口をそろえて「暴挙だ」と言っている。サイバーセキュリティに関わるようになってお会いしたこともある香田元海上自衛隊隊司令長官は、「韓国は一線を越えた」とおっしゃっている。

 

https://www.sankei.com/politics/news/190822/plt1908220041-n1.html

 

 日本政府はもちろんだが米国政府も「強い懸念と失望」と表明、韓国の孤立はいよいよ深まることになる。この1カ月ほど韓国の安全保障の立ち位置についていろいろなうわさが飛びかっていて、本当に日米韓の同盟は大丈夫かと思われた。もともと半導体材料の輸出管理強化についても、韓国を経由してよからぬ国へ迂回輸出されている疑惑があったからだ。その上昨今半島の付け根の国が試射したミサイルは、米国製の新兵器を韓国がかの国に横流ししたという記事まで出た。

 

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 GSOMIA破棄はもう仕方ないことだが、もう我々は次に起きることを考えなくてはいけない。ある評論家は、「自衛隊と韓国軍の偶発的な衝突」を懸念している。また在韓米軍の立場も微妙だ。このままでは韓国内に家族ともども留め置かれた「人質」になってしまう。駐留経費負担増をトランプ先生は求めているようだが、それとは違う次元で「撤収」の判断を迫られるような気がする。

 

 「撤収」と決めたとしても、中国の台頭や中台関係、ロシアの不気味な動きなど含めて東アジアの米軍戦力を劇的に減らすことはできない。そうなると(台湾駐留はさすがに難しいだろうから)、在韓米軍の相当部分は日本に来ることになろう。その配備先は・・・というと、沖縄になる公算が高い。浦添市の牧港補給基地など休眠中の施設が一杯あるからだ。迅速に移動するなら、用地買収などの手間のいらない沖縄の休眠施設は便利だろう。

 

 また日本政府と沖縄県の対立を助長しかねないような話だが、今の国際情勢では「そうなってしまう」可能性を否定できない。日韓関係はもちろんですが、またひとつ日本政府の難題が増えたようですね。