Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

辺野古基地の工事再開

 沖縄県議会議員選挙が終わった。結果は、玉城知事の与党勢力が過半数を得て勝利した・・・のだが知事に笑顔はない。勝ったとはいえその議席差はわずかに2、一人が野党に転じれば同数になってしまう僅差である。

 

 沖縄県では「COVID-19」感染の直接的な被害は大きくなかった。しかし主要産業の観光は大打撃を受けて、間接被害は計り知れない。安倍政権の各種支援も「遅い」と野党から突き上げられるように、ここ沖縄でも評判は悪い。にもかかわらず、どうしてこんな結果になったのか。

 

 推測するに「COVID-19」騒ぎが収まるのにも時間がかかるし、その後もインバウンド需要の回復にはもっともっと時間がかかる、その間の経済を支えるには、今まで以上に中央政府に頼らざるを得ないという雰囲気があったのではないだろうか。それには、中央政府と対立関係にある知事・与党では難しいとの判断だろう。

 

 ただ普天間をはじめとする基地問題の解決のメドは、また遠くなった。米軍はドイツ駐留の兵士を減らしたり、海兵隊を中東から太平洋地域に移そうとしている。場合によっては、朝鮮半島からも退くかもしれない。その兵力はどこに行くのだろう・・・。

 

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 沖縄は台湾と並んで、米中対立の最前線としてその重要度はさらに高まっている。それもあって難航している辺野古の基地拡張工事は、選挙が終わるのを待って再開された。ただ沖縄タイムズがいうほど、反対運動は激しくない。

 

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/584723

 

 基地問題は確かに重要課題だが、それ以前に目の前の経済問題の方が市民にとって重要なのだろう。中国本土からのインバウンド需要は、中長期的にも望めない。それに代わるものとしては、より知的な産業だと僕は思う。昨年訪問した沖縄科学技術大学院大学は、世界的にも有力な教育・研究機関に育った。

 

 これに加えて香港から流れ出てくる有能な人材を受け入れ、日本本土からも少し距離を置いた知的産業集積地域になってくれないかと思う。米軍基地を置かれているのではなく傭兵を雇っているのだ、くらいの発想をしてくれればと思います。