Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

韓国の若者の就労難

 文大統領の支持率はいろいろな失政もあり40%台に下がってきてはいるが、前の朴政権終盤の支持率が5%ほどだったことを考えれば、安定した政権運営中といえるだろう。ただ中身を見ると、不安材料だらけだ。「南北統一を果たし、日本に追いつき追い越す」と言っているのを聞いて、耳を疑った。

 

 韓国と北朝鮮の人口比は2対1だが、GDP比は15対1くらい。統合を実施するには、東西ドイツ統合の時に西ドイツがしはらったコストの何倍もの資源(ヒト・モノ・カネ)が必要だ。嘘つきが定常化しているトランプ先生と違い、文大統領本人はいたってまじめなのがより恐ろしい。幸か不幸か、北側の指導者がこれに耳を傾けていない(米国との交渉だけ考えている)ので実現するはずもないのだが・・・。

 

 日本よりさらに出生率に低い韓国では若者は貴重なはずなのだが、未就労者が154万人を越え12年ぶりの高水準に達したとの報道があった。

 

https://japanese.joins.com/article/620/255620.html

 

 ただ未就労なだけではなく、就職の意思がないのが深刻な事態を示している。就職活動をしているのはわずか20万人、完全に就職をあきらめた人が58万人というのは恐ろしいことだ。一方で4,000人ほどの理工系卒業生には、毎月150万ウォンの「給与」が支払われているともいう。名目上は卒業した大学の研究室で「期間制労働者」として登録されているのだが、実態は図書館で求職雑誌をながめているだけ、就労管理も何もない。

 

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 年間720億ウォンもの支払いがされているわけだが、原資は税金。見かけ上の失業率を下げる効果はあっても、まともな国家運営とは思えない。優秀な人材を国外に逃がさないためという言い訳もあろうが、飼い殺しにしているだけだと思う。最近の日韓関係悪化はあるものの、そういう人たちには人手不足で失業率も低い日本に来てもらって働いてもらえればありがたいのだが・・・。

 

 ただ日本でも、気になることがひとつ。上記の中央日報の記事だが読後どう思ったかと言うアンケートで、興味深い・悲しい・腹立つ・役に立つの4項目が全部一桁だったのに、「すっきり」が三桁でダントツだったこと。このような記事を対岸の火事としてはやし立てるような風潮が、日本の読者にあるようだったら問題ですね。