Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

れいわ旋風・・・の結果

 参議院議員選挙が盛り上がらなかった理由の一つは、政党要件をみたしていない「れいわ新選組」が、多くの話題をさらったからだ。参議院議員を1期務めた元タレント山本太郎議員が、新党を結成しただけでなくほぼ個人献金だけで3億5,000万円以上の選挙費用を集めた。現政権への不満は既成野党ではなく、ここに集約されたような気もする。

 

 政党要件を満たしていないゆえだが、全ての既存メディアは「れいわ新選組」の動向を一切伝えなかった。しかしWebメディアでは「山本太郎の演説に手ごたえが大きい、熱気が大きい」とこぞって伝え、いわゆる「ステルス投票」の動向が読み切れない状況になっていた。既存メディアが既存手法で集めた情報では、これまでのように投票結果が読めるかどうか不透明だった。

 

 それを具現化したのは、まずは「Brexit」の国民投票であり、泡沫だったはずのトランプ候補の当選である。例えば固定電話にかけてアンケートする結果をまとめる手法は、以前ならともかく固定電話にない人を対象から外してしまう。これでは現時点で正しい母集団から情報を集めているとは言えまい。このアンケートでは、どうしても高齢者の比重が高くなってしまうだろう。

 

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 「れいわ新選組」は、ある意味常識外れの戦術を取った。党首である山本議員が東京選挙区で立候補せず、沖縄からきた候補に席を譲った。この人創価学会員であるから「今の公明党池田大作の教義に反している」と同じ選挙区の公明党山口代表を揶揄した。山口代表には嫌味だったろうが、山本議員が立候補していればここでの議席は確実だった。

 

 それに加えて山本党首はあえて比例の3番目に名を連ね、上位の特別枠に2人の体が不自由な人を置いている。これは300万票入らないと山本は落選しますという背水の陣であるとともに、体の不自由な人を議員にすることで国会のバリアフリー化を進めるものだとも言われていた。

 

 「れいわ新選組」の公約はある意味驚異的なもので、最低賃金1,500円全国一律、不足分は税金補填というもの。さらに消費税全廃・・・これで財政規律はどうなるのかと思ったら、最近のMMT理論により国債はなんぼ発行しても問題ないという。とにかく財界とアメリカにおもねる現政権は最悪なので替えるべし、経団連に代表される財界は諸悪の根源という論調だった。結果、特別枠の2候補は当選したが山本党首は落選。ある意味穏当なところに落ち着いたというべきだろうか。さて、新しい勢力図が決まった国会。これから内閣改造などもあるでしょうが、どちらに向かっていくのでしょうか。