Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

参議院議員選挙での「One Issue Politics」

 僕から見れば、全く盛り上がらなかった参議院議員選挙が終わった。知り合いの元議員によると、選挙期間中はいろいろな縛りがあり「ブログに勝手なことを書くと、公職選挙法違反でお縄になりますよ」と脅されていたので、今日コメントさせていただこうと思う。盛り上がらなかった原因は、まるきり争点らしきものがなかったこと。

 

 ・消費税 もう業界のシステム更新も終わっているし、いまさら凍結は無理。

 ・最低賃金 全国平均1,300円なんて言われたら、地方企業は壊滅。

 ・年金 2,000万円不足って、年金だけで暮らせないことは良く知られていた。

 

 さらに、メディアが伝える「憲法改正に必要な議席2/3」というのも現実味がなかった。議席数の話ではなく、自民党を含めて本気で憲法(特に9条周り)の改正をやろうという風には見えなかったからだ。反面、面白かったのは日ごろ聞くことのない政党名がニュースで流れたこと。幸福実現党などは以前から存在を知っていたが、次の4政党は初めて聞いた。

 

 ・安楽死制度を考える会

 ・NHKから国民を守る党

 ・労働解放のための労働者党

 ・オリーブの木

 

 上の2つは明白に「One Issue Politics政党」である。昔「郵政民営化」のOne Issueで衆議院議員選挙をやった人がいたが、政党そのものがOne Issueなのだ。特にTVニュースでNHKのアナウンサーが「NHKから国民を守る党からは・・・」などと読み上げていたのには思わず笑ってしまった。

 

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 僕は安楽死制度はあっていいと思っているから、政権政党が「議連」など作って考えてくれればいいだろう。そのための政党はどうかなと思う。ましてや「NHKが国民から不当に搾取している視聴料・・・」という主張は理解できない。結果としては両党は明暗を分け、「安楽死」は得票を減らし、「N国」は1議席を確保した。

 

 加えて、原発即時ゼロ・日米地位協定見直し・ベーシックインカムなどの政策を訴えた政党「オリーブの木」は、政党連合である。4つの党(自由国民党・新党憲法9条・ピープルパワー・平和の党)の合体したものだ。こちらはもし議席を得ても政策協議に難渋することだろう。いや、とかく政治は難しいですね。