Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

貧困ビジネスあれこれ

 総選挙真っただ中だが、各党党首同士の討論というものもあって、興味深い。一番面白かったのは「NHK党」の立花党首が、「れいわ」の山本代表に詰め寄った件。

 

 「貧しい人を救うと言いながら、彼らから寄付を集めている。あなたの党は貧困ビジネスではないか」

 

 この人物「NHKをぶっ壊す!」と連呼しているだけかと思ったが、なかなか味なことを言うものだ。もう一歩踏み込んで「公明党」山口代表にも、「創価学会信者からのお布施で成り立っている党だから、そちらも同じ貧困ビジネスだ」くらいのことを言ってくれると面白かったのだが。

 

 それはともかく、本当に「貧困ビジネス」は花盛りである。生活保護費をピンハネして劣悪な環境に閉じ込めるビジネス、法定利息を超える金利で資金繰りに困った人から搾り取るビジネスなど、統計はないが相応のGDP(?)を揚げる産業になっているかもしれない。

 

 かつての消費者金融ってそうだったよね、と思っていたら。とんでもない記事が目についた。

 

解任された山口FG会長が目論んでいた、あまりにえげつない「貧困ビジネス」に見える地銀の懐事情: J-CAST 会社ウォッチ【全文表示】

 

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 山口フィナンシャルグループの会長が考えた「新事業」というのが、

 

格差社会におけるマスリテール層を対象に、

・毎月10万円を貸し出し、上限に達するまで継続、

・上限に達したら、貸し出しは止め、金利払いのみ受け取る。

・元金は対象者死亡時に、生命保険から返済してもらう。

 

 というビジネスモデル。大手消費者金融でもしなかった、相当あこぎなビジネスだが、それをれっきとした地方銀行がしようというのだから、この記事は驚きを持って報じている。しかし、僕に言わせれば金融機関が陥りやすい罠でもあるし、金融の裏面というのはこんなものだ。

 

 本来は「信用を創造することで、経済を回す業種」なのだが、ゼロ金利政策の中ではいよいよやれることが狭まってきたのだろう。逆に言えば「本性が出てきた」ということかもしれない。

 

 「格差社会の・・・」のフレーズは、ひどい言い方ではあるが、一面の真理。少数の富裕層を狙う戦略もあれば、ロングテールで稼ごうという戦略もあり得る。今の社会で「貧困ビジネス」は、ロングテールモデルになってしまったということですかね。