兵庫県知事選挙が終わり、新人の斎藤候補が当選を果たした。43歳と若く、総務省から大阪府に出向して財務課長を務めていた人。現職の井戸知事が6選をあきらめ、後継者として金沢候補を推薦していたのだが、斎藤候補が上回った。事実上の保守分裂選挙で、自民党県連は両候補に分かれた応援を続け、結局維新の会がキャスティングボートを握った形で、斎藤候補を勝利に導いた。
次期衆議院議員選挙をにらんで、いくつかの選挙区で保守分裂の気配があるが、この知事選をみると地方では野党の存在感は薄い。それにしても気になるのは投票率の低さ、無風選挙だった前回をわずかに上回る41%余りに留まっている。これは先の都議会議員選挙でも同じで、史上二番目の低さ(42%余り)だった。
各新聞の調査では菅内閣の支持率は30%そこそこまで落ち込み、ワクチン供給・飲食店への圧力・オリンピックの強行などを非難する記事が溢れている。それらに対してYahooのコメント欄では、
・自公以外に投票
・秋には投票に行こう
・選挙で落とすしかない
などの意見が一杯あるのだが、実際に投票率は(これまでのところは)上がっていない。ひょっとしてYahooのコメントのいくつかは、ボットが自動生成したデマではないかとすら思わせる。
投票率が伸びないのは、先進国共通の悩みかもしれない。例外的なのは米国大統領選挙だが、トランプ旋風が去ったこれからは、同じように行くかどうかは分からない。一時期欧州に旋風を巻き起こしていたポピュリズム政党が、このところ軒並み影響力を弱めているという記事があった。
【地球コラム】欧州ポピュリストの勢いに陰り?:時事ドットコム (jiji.com)
フランスの極右政党「国民連合」が、今回の選挙では事実上の敗北。ドイツの「AfD」も勢いが止まったとある。原因は、現実的になろうとして特徴を失ったことだとあるが、とんがった主張が減って有権者の熱狂が冷めたゆえ、投票率が下がったことにあるようだ。どの国も格差拡大は続いていて、政治に期待できることがないと有権者(とくに若い人))が思い始めたのかもしれない。
この様子では日本の総選挙の前に、自民党総裁選がありそうです。ここでインパクトある候補が出て「自民党をぶっ壊す」的な熱狂を産み出せるか?永田町の地下に注目が集まりますね。