Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

秘書あっての政治家

 話題ばかり多かったが、結局「オンライン選挙運動」しかしなかった現職の圧勝に終わった東京都知事選挙。「COVID-19」騒ぎもあり、何が争点なのか分からないままだった印象がある。野党共闘が出来なかったことが、一番期待外れだったという人も多い。「維新の会」が東京に殴り込みをかけ善戦したという評価がある一方、「れいわ新選組」にこだわり野党共闘を潰したということで山本候補は評価を落とした。

 

 その「れいわ新選組」だが、都知事選挙後も舌禍事件などで人気を落としている。一時期は「政界再編・台風の目」ともてはやされたのだが、その勢いはもうない。

 

https://blogos.com/article/470803/

 

 「れいわ」に期待した人たちから、非難や苦言が呈されるようになっていて、代表的なのはこの記事だと思う。この中に気になる記述があった。「大成する政治家は有能で実直な秘書が20年、30年と影のように付き添う。れいわの議員はその逆だ」という部分。山本代表と多くのボランティアが目立っていたが、肝心の議員秘書については人材を得られなかったということだ。

 

    f:id:nicky-akira:20200712103501j:plain

 

 なぜ「肝心」と言ったかというと、国会議員の活動の多くは秘書に支えられているから。議員自身の活動は見えるのだが、それを支えている根回しなどはすべて秘書の仕事。永田町には独特のルールがあり、それを熟知し秘書同士のネットワークでも一目置かれる人物を得られれば、議員センセイは「大物」へのステップを登れるというわけだ。

 

 僕自身が最初にそれを知ったのは、2005年の小泉・郵政選挙の時。「自民党をぶっ壊す」発言の小泉総裁が解散に打って出、圧勝してしまった。その結果、大量の与党新人議員が誕生した。当然秘書が足りなくなる。そこで一時期引退していたベテラン秘書がカムバックすることもあった。

 

 僕も出席した議員センセイらの勉強会、会合終了とともにセンセイたちは次の会合に出て行った。僕ら業界人と官僚の何人かだけが残ると、ベテラン秘書はタバコに火をつけイスにふんぞり返った。

 

・いかにも情けないボーヤだけど、最初はあんなものだよ

・それでも次の選挙は無理かな、まあ仕方ない

 

 などとおっしゃる。同席した官僚に聞くと、「センセイのいないところでは態度が違う。本当に政治を動かしてるのは自分だと思っているから」とのこと。それは今も変わっていないということですね。