駐米英国大使の秘密の公電がリークされた中に、「現政権はオバマ政権のやったことをひっくり返す目的で動いている」という主旨のものがあった。僕はその通りだと思ったのだが、大使は結局辞任してしまった。本当のことを言って辞任せざるを得ないというのは、外交の場とはいえ情けないものがある。
実際イランの核合意破棄にしても、この動機に拠ったものであることは疑いがない。また核合意破棄とほぼ同時に行った、「エボラ対策費の削減」も2015年にオバマ政権が作った枠組みを壊そうというものだろう。この時削減された予算は25,000万ドル、少ない額ではないが4兆ドルを超える連邦予算の中では目立つものでもない。
この予算は、CDC(疾病対策センター)の活動や緊急時の米軍人等の派遣、現地での発生予測などに使われるはずだった。2014年にシエラレオネ、リベリア、ギニアでエボラ出血熱の最初のパンデミックが発生した。死者は1万人を超える惨事となった。再びパンデミックを起こさないようにするために、オバマ政権が積んだ10億ドルの後継・継続予算のはずだった。
皮肉な事にこの決定が成されたのとほぼ同時に、エボラ出血熱の老舗(?)であるコンゴで9回目の発生が報告されている。それから1年ほど経って、あまりニュースで取り上げられなかったのだが、やはり収束させることは出来なかったようだ。すでに1,700人近くが犠牲になり、コンゴ一国(といっても大きな国だが)ではなく、隣国ルワンダへの感染が危惧され始めた。
この予算は、CDC(疾病対策センター)の活動や緊急時の米軍人等の派遣、現地での発生予測などに使われるはずだった。2014年にシエラレオネ、リベリア、ギニアでエボラ出血熱の最初のパンデミックが発生した。死者は1万人を超える惨事となった。再びパンデミックを起こさないようにするために、オバマ政権が積んだ10億ドルの後継・継続予算のはずだった。
皮肉な事にこの決定が成されたのとほぼ同時に、エボラ出血熱の老舗(?)であるコンゴで9回目の発生が報告されている。それから1年ほど経って、あまりニュースで取り上げられなかったのだが、やはり収束させることは出来なかったようだ。すでに1,700人近くが犠牲になり、コンゴ一国(といっても大きな国だが)ではなく、隣国ルワンダへの感染が危惧され始めた。
ルワンダ国境近くの大都市ゴマ(人口200万人)で、初めて感染者が出たのである。人口密度が高ければ高いほど、接触・飛沫感染するエボラは拡大する可能性が高くなる。かつては田舎の村ひとつをまるごと焼き払って、エボラを封じ込めてきたのだが、大都市ではそれもできない。よってWHOは世界で5回目、エボラ出血熱が原因のものとしては2014年からの1万人を超える死者を出した件についで2回目の「緊急事態宣言」をした。
トランプ政権の予算削減が全ての要因だとは言わないが、大流行の兆しのある未知のウィルスを封じ込めるための貴重な予算を無くした罪は軽くあるまい。再びパンデミックなど起きて欲しくないが、そうなったら米国政権は何をもって謝罪するのだろうか。
トランプ政権の予算削減が全ての要因だとは言わないが、大流行の兆しのある未知のウィルスを封じ込めるための貴重な予算を無くした罪は軽くあるまい。再びパンデミックなど起きて欲しくないが、そうなったら米国政権は何をもって謝罪するのだろうか。