このところ、中国を取り巻く不穏な報道が多い。例えば、ベルギーには250人の中国人スパイがいるという記事。EU政府の置かれている場所だしいてもおかしくはないと思うのだが、やけに具体的な数字とともに今と言うタイミングが「中国包囲網」というトレンドを思わせる。
日本政府の態度はいまいちはっきりしなかったが、先月のトランプ先生来日以降ファーウェイとの取引停止などについては同調をはじめたようだ。一方、そこそこの大国で中国の味方をしようという国は見当たらない。ロシアだって実際中国は脅威に思っているから、日米欧に加担はしないまでも積極的な中国支援はしないだろう。そんな中注目を集めているのが台湾という島。
今年初めに習大人は、台湾を香港と同じ様に「一国二制度」で統一したいといった。台湾は一時期中国との経済的結びつきが強くなって、平和裏に統一されるかもしれないとさえ思えた。しかし現在の蔡政権になってからは、独立の気運に逆戻りしていた。ただ蔡政権も磐石ではなく、経済的に中国本土との結びつきを強化したい人たちも決して少なくない。
ただ「一国二制度」で返還された香港で今何が起きているのか、多くの人が知っている。チャイナマネーの流入でビジネスが興隆したのはいい。深センとの国境地帯(新世界)は、荒涼たる未開の地だったのが今や大都会だ。ただ市民の自由は徐々に制約されてきて、本土から来た施政官たちが権力を強化している。中国がまだ経済的に弱い国だったころ必要とした「香港という窓」も、今や対外的につくろっておく必要が無くなったというわけ。