Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

六本木探訪

 21世紀になって東京23区内ではいろいろな変貌が見られるが、その先輩格なのがここ六本木である。この一帯は繁華街であり、多様な飲食店や遊興施設があってよからぬ連中も出没する。在日の各国大使館が自国民に「警戒を要す」と言っているエリアでもある。

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 バブル期以降も「夜の街」のイメージは変わらなかったのだが、森ビルがニッカウヰスキーの工場跡地に巨大ビルを建てることを公表して社会の注目が集まった。
 
 森ビルという会社は、単なるデベロッパーではない。業界では「裏の港区」という人もいて、行政の表には出てこない一部を担っていると教えられた。港区には在日公館も多く外国人の居住者も多い。彼らには、日本の行政に不満なことも多い。例えばゴミ処理や駐車場の確保など日々の事で、四角四面の行政窓口とのやり取りは大変だ。
 
 こういうところを、どうやるのかは知らないがケアすることで自社の物件に外国人を招くのだと言う。そんな会社がまとまった土地を手に入れ、いろいろな機軸を盛り込んだ「ひとつの街」を作ろうとしたわけだ。機軸の一つにデジタル技術の活用もあって「e!プロジェクト」と呼ばれ、僕も少しだけ関わったものだ。
 
 2003年に開業した「六本木ヒルズ」は、特徴的な円筒形の外観に多くのオフィス、ショップ、レストランに加え、ミュージアムアカデミーヒルズという学びの施設もある。ホテルとしてはグランドハイアットが入っている。いろいろなイベントも行われるハイソな街になっている。
 
 新機軸を盛り込み過ぎて、住人が困っていることもある。例えば2階建てエレベーター。縦に2個のゴンドラが連結されているので人員輸送量は増しているのだが、停まりたくない階で「上階乗降中」の表示が出て停まってしまうのが悩ましい。運用としては偶数階と奇数階に分割されてしまっているわけで、目的地がどちらかによってエントリーする階も違うのだ。

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 これに続いて、六本木駅の反対側陸上自衛隊檜町駐屯地の跡地に2007年に開業したのが「東京ミッドタウン」。こちらは普通の長方形の高層ビルだ。特段新機軸が目立つわけではないが、堅実な造りだ。オフィスにショップ、レストラン、ミュージアムなどに加えてリッツカールトンホテルも入っている。この地域の発展を象徴する2つの施設・・・というより垂直に立った街である。
 
 どちらのビルにも有名な会社(特にIT系や外資系)が入っている関係で、たまに僕もこれらのビルを訪れる。たまたまこの日は2つのビルをハシゴすることになり、朝六本木駅に降り立った。最初に「東京ミッドタウン」で1時間ばかり会合をし、次は「六本木ヒルズ」である。
 
 この間が意外と遠い。高層階から見ると指呼の距離にあるように思うのだが、地上に降り立って地下道を歩いてみると20分弱かかった。六本木駅まで戻ったところで、その必要は無かったのだが地上に出た。そこから両方のビルをしばらく見ていた。
 
 いまでも猥雑さの残ったエリアではあるが、山手線の内側にこんな「街」をつくる余地があったのが驚きだ。そんな場所はまだ探せばあるのだろうか?ま、それはデベロッパーさんのお仕事ですがね。