Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

こんなもの要らない(英国議会)

 迷走に迷走を重ねる「Brexit」、合意なき離脱はいやなのだけれど欧州委員会とまとまりそうな「合意案」を内閣(ほぼメイおばさん一人しか見えてないけど)が提出しても英国議会は全部否決している。3月末だといわれた合意なき離脱で食料は入らない、交通は止まる、市民生活は大混乱・・・これに乗じて敵対勢力がテロを敢行などという破滅的なシナリオこそ起きなかったものの、お先真っ暗という状況に変化はない。

 結局離脱を6ヵ月先延ばしした合意はできたのだが、延ばしたものだから間近に迫った欧州議会の議員選挙にも英国は参加することになった。どの面下げて立候補や投票できるのかと思うと、ジョン・ブルのメンツも丸つぶれであろう。延ばせば延ばすだけ、いろいろな事態が発生するから6ヵ月あるとはいうものの、早期に決着するにこしたことはない。にもかかわらず、驚いたことに英国議会は11日間の休暇に入っているらしい。

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https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041200221&g=int 

 確かに、4月前半にはイースター休暇という長い休みがあるのは覚えていた。しかし今はまさに国難の時期、休暇返上で議員は事態収拾のための議論をするべきなのではないか?欧州委員会の27カ国にしてみれば「早く決着してよ、何してるんだよ」という思いだろう。誰かが「政治家ではなく、国の行方はAI(人工知能)に決めてもらいたい」と言っていたが、ここに至って議会不要論が真っ当に思えてきた。

 ただ議員諸氏にしてみれば、政界が液状化して「メイ降ろし」とか「議会解散」がちらついているので自らの将来を考えるとイースター休暇を使って選挙区に戻り有権者と意見交換する必要があるのだろう。こうなると「個益あって国益なし」との批判が地元の有権者からも出てくるだろうが、各議員はそれにどう答えるのだろうか?この6ヵ月が誰にとっての「Their Finest Hour」になるか、僕も注目していましょう。