Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

世界最大の輸送機

 またひとつ、SFアニメの世界が実現しようとしている。日本の技術陣がブラックホールの撮影(というか映像化)に成功したことに、「銀河鉄道999」などの著作がある松本零士氏が、「子供の頃に思い描いた映像と同じだ」と感動していたニュースが流れたばかり。それに続いて、今度は巨人輸送機「ストラトローンチ」が飛行実験をしたというニュースが入ってきた。

https://www.cnn.co.jp/tech/35135715.html 

 機体の名称は、成層圏を意味する「Stratosphere」に向けて発射する(Launch)ということだろう。双胴の中央に宇宙ロケットを抱いて成層圏近くまで上昇し、そこから宇宙ロケットを発進させれば地上におおがかりなロケット発射施設は要らないし、恐らくは燃料の節約にもなるのだろう。これまで1段ロケット、2段ロケットを切り離してきた分をこの巨人機が担うわけだ。

 

 これまで世界最大の航空機は、「An-225ムリーヤ(機体重量175トン)」だったがこれを上回る280トンの重さを持っている。An-225もスペースシャトル打ち上げに使われた機体だが、1機しか完成せずシャトル運用も1度しかしていない。「ストラトローンチ」の就役で、地上と宇宙の往来をするシャトルに実現性が見えてきた。

 まだ20歳代だったころ見たアニメ「機動戦士Zガンダム」には、ガルダという巨人輸送機からスペースシャトルを発射するシーンがあった。人類の英知はそれを実現する少し手前まできたということだろう。技術と同時にそういうことにお金が廻るようになってきたというのが大きいと思う。50年前のNASAアポロ計画は、(軍事用)技術開発と国威高揚が大きな目標で、ビジネスとしては投資回収ができるようなものではなかった。

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 テスラの創業者イーロン・マスクは、宇宙旅行をポピュラーにするのが夢だったが、その資金や技術を集めるためにまず電子商取引サイトe-Bayを立ち上げ、次に電気自動車の事業に進出した。彼が望んだ、宇宙がビジネスになる時代、そこまできましたね。