Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

台湾有事の後を見据えて

 ペロシ下院議長の訪台に続いて、先週は米国超党派の国会議員団が台湾を訪問、蔡英文総統と会談した。中国政府は直ちに反応、再び台湾周辺での軍事演習をして台湾&米国政府を威嚇した。一部には台湾周辺の演習が常態化する懸念もあるが、やればやるだけ弾薬や燃料を消費するだけとの意見もある。

 

 本当に台湾有事は起きるのか?これまでは米軍が予算確保のための「作られた脅威」という部分もあったのだが、そろそろ真剣に考える必要がありそうだ。米国のシンクタンク戦略国際問題研究所CSIS>が、大規模な台湾有事シミュレーションを実施中である。

 

米シンクタンクが台湾有事の米中衝突をシミュレーション、結果は? - Mashup Reporter

 

        

 

 シナリオは22種類用意されていて、その結果は年末に公表される予定だ。これまで18シナリオを消化し、ほぼすべてで中国軍は撃退されるという。最大台湾島の1/3を占拠できるが、補給が続かず撤退することになる。

 

 ただし米軍の被害も深刻なもので、原子力空母2隻と数百機の作戦機を失うという。撤退した中国軍の損耗も合わせると、東シナ海に軍事力の空白ができると予想される。問題はその後だ。

 

南シナ海の海洋利権はどうなるのか?

・台湾周辺から朝鮮半島にかけて、誰が出てくるのか?

・その時、日本に求められる軍事的な貢献は?

 

 さらにチベットや新疆ウイグル、香港を含めて、中国国内のガバナンスはどうなるのか?インドやロシア、~スタン国、ミャンマーベトナムはどう動くか。

 

 日本の「軍事費」の増加論が盛んで、ある種の産業(&関係者)の利権拡大に堕すのではないかとの危惧がある。何が必要な防衛力かの議論については、現状の国際情勢だけではなく、台湾有事の後も見据えてやっていただきたい。中国の混乱、米国の退潮があった場合、日本はどうるべきかを考えたR&Dや体制強化をお願いします。