Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

兵器としての哺乳類

 東欧だけでなく中東にも戦禍が広がっていて、世界最大の兵器供給国米国では、ある種の「二正面作戦」を強いられるようになった。この上極東で第三戦線でも勃発したりすると・・・というようなことが無いよう祈るばかりである。

 

 是非はともかく、有事になると兵器や関連技術の開発はアクセルがかかる。あるUボート艦長が言ったように「人を殺すとなると人類の知恵は無限」である。あらゆるものが兵器として使えないかと、戦略・作戦・戦術・戦闘の各レベルで試されるようになる。例えば・・・。

 

ロシア軍、セヴァストポリ海軍基地でイルカを「軍用利用」 スパイ・クジラも? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

 ウクライナ軍が入手した長距離兵器の脅威にさらされるセバストポリ軍港では、主要な艦船は黒海東部に避退したものの、港湾警備にはイルカが活躍しているとの記事だ。

 

    

 

 イルカを初めとする水棲哺乳類は知能が高く、水中での運動能力や探知能力も高いので、有能な「兵士」たりうる。この記事にあるように、米軍もかつて使っていた。動物愛護団体の非難を受ける前のことだが、ベトナム戦争では海から米軍基地に侵入しようとした敵兵を、58名(いやに具体的だ)殺したともされる(*1)。

 

 WWⅡの独ソ戦では、爆薬を背負った自爆犬が独軍戦車を撃破している。エンジンのかかったトラクターの下で餌を貰うようにしつけられた、可哀そうな犬たちである。それに比べれば、この方が動物愛護の観点ではマシかもしれない。

 

「ロケラン搭載のロボット犬」をアメリカ海兵隊がテスト中 - GIGAZINE

 

 米国で数年前に開発された、ロボット警察犬<デジドッグ>にロケットランチャーを搭載したもの。一種のドローン兵器である。

 

 子供の頃に好きだった、石ノ森章太郎の「サイボーグ009」では、変身サイボーグの007が敵の水中基地にイルカに変身して近づくシーンがありました。現実の戦場が、それに近づきつつあるようですね。

 

*1:米軍は公式にはこれを認めておらず、未確認である。