Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

玉城知事の危険な訪中

 先週、沖縄県知事の玉城氏が訪中をした。習政権は異例の厚遇を持って、沖縄県知事施設を迎えたという。先日米国の部臨検国務長官やイエレン財務長官が訪中した時の冷遇と、明らかな差が見られた。

 

習政権、沖縄知事を厚遇 米軍念頭に関係強化―中国:時事ドットコム (jiji.com)

 

 僕は、習政権が台湾に武力侵攻する公算は低いと思っている。強攻すれば無用な破壊や殺戮をすることになり、占領できたとしてもその復興や人心懐柔にかけるコストが大きくなるだけ。そんな損得勘定がわからない、習大人と共産党ではないと思っているからだ。

 

 だから、経済力を背景にした宥和外交とサイバー空間も使った人心掌握や選挙への介入のような手段で「平和統一」を図ろうとする(のが上策)と思っている。そんな状況なのに、なぜか玉城知事が訪中、かつて琉球との交易拠点だった福建省で会合に臨んでいる。

 

    

 

 知事としては「台湾有事がおきれば、米軍基地の集まる沖縄が戦場になりかねない。なんとか平和外交を」との思いなのだろうが、これは中国の思うツボ。沖縄で(台湾同様の)人心掌握や選挙介入などして、琉球独立の気運を高めさせ日本から切り離して、徐々に中国の勢力圏に入れたいと思っているはず。

 

 先週別ブログで紹介した陳舜臣著「琉球の風」全3巻、1600年ころの明国と薩摩の狭間で苦悩する琉球王朝を描いたものだった。

 

明国を親とし薩摩を兄と(前編) - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 明国との朝貢貿易で潤う琉球だが、この100年戦争をしておらず武器らしいものがないし、軍も存在しない。朝鮮出兵に失敗したとはいえ、日本とその尖兵の薩摩は南蛮をも上回る戦闘力を誇る。一方明は大国だが衰退期にあり、朝鮮を援ける軍事行動で人的・資金的に困窮してしまった。薩摩は徳川幕府の了解を得て、奄美大島(当時は琉球領!)から琉球本島に侵略の手を伸ばす・・・というストーリーだった。

 

 知事は当時のことを意識していないとしても、今回の訪中が琉球独立への第一歩にならないことを祈っていますよ。