Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

確かに不平等(ガチャ?)はある

 昨日、人口減少社会を維持するためには「コンパクト・レーゾンデートル」を考えるべきと申し上げたのだが、これには大きな反発が予想される。能登半島地震では、未だに2万人以上の人が避難生活を送り、豪雪・厳寒下で震災関連死の脅威にさらされている。政府は<二次避難>を呼び掛けているのだが、岸田首相が「ホテル等への二次避難」を勧めると、あるタレントが「被災者にそんなカネがあるか!」と噛みついた。

 

 もちろん避難先は行政が確保しているし、二次避難ができない理由はカネだけではない。生活基盤の全てがそのエリアにあり、遠隔地に移動できないのだ。実は(平時でも)移動できるできないというのは、格差なのだとする書があった。

 

日本でじつは「移動できる人とできない人」の格差が広がっていたという「深刻な現実」(現代新書編集部) | 現代新書 | 講談社(1/2) (gendai.media)

 

    

 

 この記事(書)は、都会へ出て行こうとするのは、学歴・資産・無謀な自信を持った者に限られ、他の移動できない者は「地域カースト」の中で従順な暮らしを迫られるという。

 

 甚大な被害を受けたエリアを多額の資金をかけて再建するよりは、移動してもらって新しい人生を始めてもらう方がいいとの論説を昨日紹介した。ここで「いい」というのは社会コストがよりかからないということ。「いやカネじゃないんだ・・・」との反論は当然ある。例えば、過去にはこんな事例が・・・。

 

「こんな不平等があるかっ」田中角栄はなぜ「北陸のたった60戸の過疎地」に「12億円のトンネル」を作ったのか…? (松田 賢弥) | 現代ビジネス | 講談社(1/4) (gendai.media)

 

 記事の中に、12億円の工費をかけるくらいなら「60戸に2,000万円ずつ配って移住してもらう」案が紹介されている。しかし時の宰相は、工事を強行した。

 

 確かに産まれた環境による「ガチャ」はあって、不平等は存在します。しかし、それを社会コストをかけて「平等」にすることが是か非か?政治家の皆さんには、カネ集めではなくこのような議論に力を入れて欲しいものです。