Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

3つ目の紛争はこの海から?

 台湾有事は、中国の人民解放軍創立100周年にあたる2027年に起きるとの説がある。米国が事実上東欧と中東の二正面作戦を強いられ、議会の混乱もあってどちらへの支援も十分できない現状を見れば、習大人が決起するとしたら今かもしれない。

 

 ただ米国が三正面作戦に陥るとしたら、3つ目は台湾海峡ではないと主張する人たちもいる。その場所は南シナ海。すでに中国海警局とフィリピン海軍の艦船が物理的に衝突していて、緊張が高まっている。

 

 比較的親中だったフィリピンのドゥテルテ前大統領と違い、マルコス大統領は親米だ。南シナ海での中国の覇権的な動きを警戒し、米国の軍事支援を求めている。すでに米比同盟の深化として、米軍拠点をフィリピン国内に増やし、軍事演習も行っている。

 

        

 

 今月岸田総理がフィリピンを訪問、手土産にしたのは沿岸監視レーダーシステム(6億円相当)だった。殺傷兵器ではないとしても、敵軍発見能力を高める貴重な「戦力」である。

 

フィリピンに防衛装備品を無償供与、OSA初適用…岸田首相「東・南シナ海への深刻な懸念共有」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

 

 OSA(政府安全保障強化支援)制度の初適用案件で「武器輸出(or供与)はけしからん」という声が上がるかと思いきや「海外には無償供与、国内では増税!」との批判だった。何度か紹介している、海外への支援に対して「国内にカネを回せ」とう声だ。

 

誰が「Japan First!」と叫ぶのか - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 今回も、補正予算は17兆円、減税も3.5兆円盛り込まれているのに、これに対してケタの違う6億円が非難されるおかしな事態だ。

 

 この海で「第三戦線」が開かれれば、米国は窮地に陥ります。ここは集団安全保障の強化しかないので「太平洋版NATO」を目指しているようにも見えます。日韓に加えて、人口も多い国フィリピンは魅力的な同盟国です。