Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

2040年なら統廃合じゃなくて解散を

 今年5月、日本郵政増田寛也社長が日経紙上で「郵便局ネットワークの統廃合を検討」と発言したことが、波紋を広げている。時期としては2040年ごろとかなり先の話だが、過激に反応した人がいたに違いない。

 

「郵便局統廃合」発言に波紋 日本郵政・増田社長、火消しに躍起も溝埋まらず - 産経ニュース (sankei.com)

 

 全国郵便局長会の会長と会談し、従業員には説明のメールを送り、自民党郵政族の残党?)にも真意を説明したとあるが、容易に理解されるような気がしない。冷静に考えれば、人口減少・都市集中のトレンドは変えられず、社会インフラの統廃合を検討しないというのは、行政でも事業者でも怠慢と非難されて当然だ。

 

    

 

 その当然のことを、まだ15年以上先との前提を置いて検討しようと話して批判されるというのは、異常なこと。しかし、日本郵政そのものが、

 

・明治期に地方の名士に土地建物などを提供してもらって整備したこと

・かつての特定郵便局長は、世襲制の公務員という特殊な地位にあったこと

・政府が株式を多く保有し、旧郵政省OBや郵政族議員の影響力が強いこと

 

 などという非常に特異な事業体であることから、普通の企業体の常識で計ってはいけないのかもしれない。

 

腐敗の原因は幹部?それとも政治? - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 には、2018年からの1年半に起きた日本郵政がらみの不祥事が列挙してある。このような事業体の改革を託された増田社長のご苦労には敬意を表しながら、このままユニバーサルサービスを続けさせてもいいのか、僕は疑問を持った。かんぽ、ゆうちょは既存の民間サービスで代替可能だし、郵便は電子メールなどに置き換わって量を減らしている。これも宅配事業者での代替が、(人口分布で)多くのところでは可能だろう。

 

 僕の感覚では、今すぐ統廃合の検討を開始し、2025年には最初の統廃合を実施、2040年には多くの事業を他事業者に売却し解散・・・くらいが妥当と思うのですが。