Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

懐かしい店「カメラのOlive」

 昨年久しぶりに、いわゆる里帰りをした。僕が生まれた街は、愛知県の尾張一宮市というところ。もう実家もなく、両親は熱海に引っ越してきてしまっているので、何かの関係があるわけではない。それでも名古屋に用事があったついでに、ちょっと立ち寄ってみた。名古屋駅から尾張一宮駅までは、JRの快速で1駅間、所要10分で着いてしまう。

 

 駅の西口を出たところにある、「カメラのOlive本店」というのが、高校生時代からしばらく通ったお店。45年前はこんな外観ではなく、道端でカメラ販売とフィルムのDPE(現像・焼き付け・引き伸ばし)をしている店だった。高校がこの駅の近く(といっても徒歩20分はかかるのだが)にあったのと、高校の写真部に悪友ができたので彼に誘われて来るようになったのが始まり。

 

 最初の一眼レフ「Nikomart FTn」はここで購入している。大学生になっても、通学の経由地だったので時々足を運んだ。大学では写真部所属だったので、より関係も深まったというわけだ。家庭教師以外のアルバイトをした唯一のお店もここ。ある意味青春の詰まったスポットである。

 

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 目端の利くマスター(社長)と、地元の有名女子大学卒の奥様があっけらかんと迎えてくれたのを覚えている。社会人になってNikonからContaxに乗り換えるときも、最初の機材(Contax 167MTとDistagon 25mm)はここで買った。マスターはカメラ販売よりもフィルムのDPEの方がビジネスとして大きいと判断し、自社でDPEの工房を作った。それが奏功してビジネスを拡大していた。

 

 尾張一宮の駅はJRはむしろマイナーで、私鉄の名古屋鉄道の乗降客が多い。ただ改札口は(当時は)同じで、この店のある西口のほかにも東により大きな改札があった。マスターは、駅周辺の人流に注目してどこに支店を出せばDPEの顧客をカバーできるか考えていた。今でいえば、ビッグデータ解析である。人流データと立地条件を加味して東口に2つの支店を出している。マーケティングと言う言葉は、高校生の時にこの現場で覚えた。

 

 その後フィルム需要は減り、マスターや奥様もどうなったのかは分からない。現行ビジネスは結婚式などの写真撮影スタジオのようだ。それでも、昔ビジネスの入り口を教えてくれたお店。久しぶりに行けて良かったですよ。