Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

追い詰められたときの「看板」

 中古車関連に幅広い事業を展開している<ビッグモーター>の不正報道が、日々多くなっている。保険金の不正請求は、かなり組織的に行われていたし、自ら保険代理店をしていることから、審査の抜け穴も承知していたと思われる。ノルマを達成するためには手段を選ぶなというのが、社是かもしれない。ブラック企業の典型といえるだろう。

 

 ビジネスの世界だから、儲けなければ生きていけない。思ったように売上や利益が伸びてこないと、

 

・大売出し

・大募集

 

 などの看板を掲げて、社内はもとより社外・顧客にまで発破をかけるようなことは、どの業界でも多少はあること。僕の現役時代は、こういう数字が苦手で「看板」が上っているいる時は、できるだけ上司の視野に入らないようにしていた。組織は追い詰められると「看板」を掲げて、内部に無理を強いることがあるのだ。

 

        

 

 1958年、食糧不足への対応や重工業の発展によって国力を高めようと焦った毛沢東は「大躍進政策」を掲げた。農村や鉄鋼業へのノルマは厳しすぎ、結果として食糧危機や工業の衰退を招いた。一説には3,000万人が餓死したという。1932年にスターリンが餓死させた犠牲者の数を、確実に上回っている。

 

 今にも解散請求が出るかと追い詰められて、「岸田を呼びつけて教育」と言った旧統一教会韓鶴子総裁は「とにかく伝道・伝道・伝道よ」と叫び、日本からの集金を強化せよと命じた。もうひとつ、追い詰められた組織があった。

 

「大運動」成否を左右する重大局面 幹部会決定を貫徹し党勢拡大飛躍へ/小池晃「大運動」推進本部長が緊急の訴え (jcp.or.jp)

 

 来るべき総選挙に向けて、党勢を立て直したい気持ちは良く分かる。野党連携も上手くいかないし、立憲民主党に替わって野党第一党日本維新の会にでもなったら、ますます追い詰められる。しかし、である。「大運動」っていかにもアナクロではないか。主張には見るべきところもある(*1)ので、正々堂々政策論を展開して欲しい。こういう、スターリン毛沢東時代のような「看板」を掲げて見せることこそ、長期低落傾向を産んだ原因と思います。

 

*1:もちろん安全保障面などで机上の空論も一杯あり、それらは賛同不可能