ザポリージャ州あたりでウクライナ軍の反撃が始まり、恐らくはアゾフ海へ向けて進軍していると思われる。この部分を分断すれば、ヘルソン州含む東部戦域へのロシア軍の補給はクリミア大橋経由か海路によるものに限定される。ただロシア側は、
・ウクライナ側は多大な損害を出して敗退している
・レオパルト2はじめ新型戦車も破壊した
と発表している。まあ、戦況というものはマクロ的にかつ一定の時間を置いた冷静な分析によらなければ、確たることは言えない。そんな中こんな記事を見つけた。
曰く、昨年9月のウクライナ軍の戦闘は、米英の特殊部隊が主力となって行ったもので、プーチン大統領は「西側の直接参戦だ」と激怒したとある。
別ブログ「新城彰の本棚」で何冊も著書を紹介している元外交官佐藤優氏の論説だが、この記事だけはちょっと信じられない。
・特殊部隊はAFVなどを持たない軽装備の部隊
・いくら精兵でも陣地突破のような戦術に使うのは考えられない
・ある程度の戦力ゆえ死傷者や捕虜も出たはず。それをロシア側が公表しないのは変
小泉内閣の田中真紀子外務大臣時代、鈴木宗男議員と佐藤氏は非常に近い関係だったと聞く。お二人ともロシア通であり、鈴木議員は(維新の会所属となった)今でも、ウクライナ紛争の早期停戦、ウクライナは領土をあきらめよと発言をしている。お二人がロシア通なのはいいとして、それがロシア寄り、下手をするとロシアのプロパガンダを担うような発言になるのは、いかがなものかと思う。
多少の軍事常識があれば、疑問を持たざるを得ないような今回の論説、私はミスディテクションだと思いますよ。