Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

AIグラビアアイドルの是非

 グラビアアイドルというものには、僕は全く縁がなかった。30歳を過ぎてからは、TVに登場する若い女性タレントの認識すら出来なくなっている。みんな似た顔をしていて、背が高くスタイルがいい。僕は、顔認識技術にいう「学習モデルが少ないので識別能力が低い」状態だった。

 

 そんな僕が初めて「グラビアアイドル(グラドル)」なる単語に目を止めた理由は、やはり生成AI。

 

グラドルやモデルがまるで本物…増殖する「AI美女」の可能性とリスク|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)

 

    

 

 もはやリアルモデルと区別がつかないレベルの静止画・動画の生成が可能になった。制作側からすると、AIモデルのメリットは一杯ある。

 

・読者に受けるであろう容姿のモデルを設定し、必要なら自由に修正できる

・場面の設定も自由、ロケにかかる費用や時間をミニマムにできる

・(法に触れない範囲で)いかなるポーズをとらせ、言葉を言わせることもできる

・後なって、セクハラ訴訟などを起こされるリスクは、ほぼない

 

 しかし、集英社を始めいくつかの出版社がAIグラドルの掲載を一時中止すると発表した。世論の反発を恐れてのことだが、一体どんな問題があるのだろうか?

 

・グラドルほか、ロケスタッフの雇用が失われる

・リアルモデルに似ているとの「肖像権」を巡る係争

 

 くらいだろうか?うがって考えれば、より多くの人を現実社会から切り離すリスクがあるのかもしれない。

 

ネット上はれっきとした現実 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 で紹介したように、ネットの世界に入り込んだ人による事件が増えている。対人的なものが苦手な若者が増えて、やがては被害者になったり加害者になったりするとの説だ。「LGBTQは非生産的だ」との暴言を吐いた政治家がいた。子供を持つことを生産と結びつけるのは愚かの極みだが、LGBTQカップルは人工授精や養子をとるなどして子供を持ち育てることもできる。しかしWebの中の恋人と暮らす者は、それもできない。

 

 対人的なものが苦手(むしろ不可能)な人に、Web上でそれなりの幸福を持たせるメリットはあるでしょうが、上記の問題と社会的にはどうバランスできるのでしょうか?