今週、岸田総理が初の訪米、バイデン大統領とサシで会う。この会談は、いずれも国内政局を抱えた両首脳にとって、重要な意味を持つと思う。
◇米国
中間選挙の結果、下院の過半数を野党共和党が獲ったのだが、いざ議長選出にあたり共和党内分裂が起きて大混乱した。国内のインフレも収まらず、対ウクライナ支援など外政にカネを使うべきでないとの世論は大きい。
◆日本
子供予算倍増はこれからなのに、防衛費倍増は増税含めあっさり決着。米国に比べれば低いインフレ率でも、庶民の怨嗟の声は大きい。ODA等の対外援助にも「そんなカネがあるなら国内に廻せ」という人たちもいる。
混乱しているとはいえ、議会の力が極めて強い米国。与野党問わず、日本の国際貢献(米国負担の転嫁も含むだろう)を期待する意見があると、この記事は言う。
「日本の国際貢献度が低すぎる」とアメリカ議会が「暴発」寸前…首脳会談直前の岸田首相には“本気度”が求められている(歳川 隆雄) | 現代ビジネス | 講談社(1/3) (gendai.media)
今年、日本はG7の議長国。また国連安保理の非常任理事国にもなった。常任理事国入りを推す国もあるという。それにしては「国際貢献」が少ないということだろう。米国は日本を強くしたくはないが、以下のような時に必要になると軍事力増強を言う。
・朝鮮戦争
・湾岸戦争
日本政府は「米国が押し付けた憲法9条で出来ない」として、限定的な回答しかしなかったらしい。しかしそれでも安倍政権の集団的自衛権承認まで、長い時間をかけて譲歩してきた。今回はもう一歩の進展を、米国は期待しているようだ。
昨年末、X'mas休暇なのに多くの米国高官(特に国防関係者)が来日したことも、これを裏付けているかもしれません。サイバーセキュリティ関係の大統領補佐官が、再三日米連携を口にしたのを、大使館のクローズド会合で直接耳にしました。今年は日米関係が試される年になりそうです。