Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

朝鮮半島の非核化・・・は夢

 「外交の岸田」という看板が、支持率向上に役立っている。普通は外交は票にならないのだが、今の政権には当てはまらないらしい。日本の市民が外交をより重視してくれるようになっているのなら、それは嬉しいこと。

 

 先週総理は、アフリカ4か国を歴訪。帰国してすぐ韓国の尹大統領を訪問し、シャトル外交復活を印象付けた。今月にG7広島サミットを控えているからだが、積極的な外遊に努める姿勢は評価できる。

 

 訪問を受けた尹大統領の方も、先週は米国でバイデン政権から国賓待遇で招かれ、国際的に大きく取り上げられた。米韓同盟強化をアピールしたが、中国がこれに反発していることから(逆に)訪米は大成功だったと思う。

 

 しかし尹政権の支持率は、岸田政権とは違って低下している。もともと僅差で当選した大統領だし、批判ネタには事欠かない。特に日本との関係改善のため、徴用工訴訟を(国内問題として)収めてしまったことには、反発も大きい。

 

        

 

 これに対して日本もホワイト国待遇を復活(*1)させたが、これについては日本国内でも反対意見も多く、両政権とも痛み分けの様相。それでも両国間に刺さっていた大きなトゲは抜け、日米韓同盟は強化された。

 

 気になるのは、米韓首脳会談で韓国の核共有に関する議論があったこと。北朝鮮が核保有による威嚇をしている以上、やむを得ぬ対抗策ともいえるが「朝鮮半島の非核化」という目標は吹き飛んでしまった印象だ。

 

 台湾海峡の緊張が伝えられるが、台湾は核兵器を持っていない。明確に独立を主張しているわけでもない。これに対して朝鮮半島は、休戦中なだけで戦時下にあり、両者が核をちらつかせている。より危険な関係になったと考えられよう。

 

 東アジア版NATOという構想が、語られることもあります。そうなった時、日本はどうなるのか、G7に尹大統領を呼ぶのなら、そんな議論はあってもいいと思います。

 

*1:日本政府は両者の間には関係性はないと公表している。