Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

外交は票にならない・・・

 はっきりは分からないが報道を見る限り、このところの国際会議は大きな成果をあげられなかった。例えばCOP27で議論された温暖化による発展途上国の被害への賠償。パキスタンなど国土の1/3が水没する事態になり、これを先進国が「補償」することはなかなか難しい。

 

 プーチン先生抜きのG20だって、ウクライナ紛争を止める方策など出てくるはずもない。これらの会合の間に、米中首脳リアル会談ができたことくらいが、成果と言えるかもしれない。岸田総理は、日中・日韓首脳会談はしたものの、COP27には顔出しもしなかった。

 

 ASEAN会合では、3,000億円余りの借款を約束し相応の存在感を示した岸田総理だが、国内の反応は厳しい。あるコメントは「そんな余裕があるのなら、減税してくれ」と言い、沢山の「いいね」が付いたと聞く。

 

    

 

 これは危険な兆候である。岸田総理は外遊前に、30兆円近くの補正予算で主に国内向けの経済対策を打ち出している。これが逆(外国へ30兆円、国内向けに3,000億円)なら、かのコメントもむべなるかなだが、同額(例えば内外共に15兆円)ですらない。

 

 僕はグレタちゃんのような環境派ではないが、地球市民という感覚を多少は持っている。僕らの進めてきた「Global & Digital」は、日本国内では格差を広げたが世界全体では格差を縮めている。相対的に裕福な日本は、もっと発展途上国の支援を強化すべきだ。例えば上記の「30兆円対3,000億円」はちょっとアンバランスに思う。

 

 しかしこうなったのも「外交は票にならない」からだろう。また、途上国支援を「外交」に矮小化しているからかもしれない。SDGsやESGの推進のための支援と考えれば、コスモポリタンは賛同してくれるはず。ミレニアル世代やZ世代は、SDGsやESGに敏感と聞きます。彼らがもっと政治に興味を持ってくれれば、政治家も変わってくれるかもしれませんね。