Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

社会インフラとしての責務を・・・

 お騒がせ大富豪イーロン・マスク氏が、またまた騒動を巻き起こしている。巨大SNSTwitter」の買収経緯もいろいろあったのだが、買収が完了するや矢継ぎ早の「改革」である。

 

・取締役を全部解任、独裁体制に

・約7,000人いた従業員の半分近くを解雇

・さらに残った従業員にハードワークか退職を選択させる

 

 同社の日本法人は、全員が解雇されたという。知り合いも一人いたはずだが、どうしているのだろうか?同社は赤字経営で、何らかのテコ入れは必要だった。しかしこれは「拙速」の域を超えた、あまりにも速すぎる動きではないか。

 

 このSNSは、全世界にアクティブユーザーが3億人以上いるという。ある意味社会インフラだ。トランプ先生がこのSNSを使って「政治活動」をしていたこともあり、米国では世論形成にも影響するサービスである。

 

    

 

 これを一般の私企業同様「俺の会社なんだから勝手だろう」と私物化してしいまうのは、いかがなものかと思う。ただサービスが止まるとか変わるとかだけではない、別のリスクも顕在化している。

 

「ツイッターのDMを今すぐ削除せよ」セキュリティ専門家警告 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

 巨大ITは、常に多くのサイバー攻撃にさらされている。GAFAMのサービスの一部でも乗っ取れば、一気に全世界に影響を及ぼすこともできる。同社のサイバーセキュリティ力が下がると、その種のリスクが増してしまうのだ。セキュリティの専門家がいなくなり、対応体制が脆弱になれば、闇Webの住人にとっては大チャンス。マスク氏の「改革」は、ユーザ3億人をリスクに晒していると言えよう。

 

 世界中に影響を及ぼす巨大SNSの「改革」は、決して拙速であってはならない。経済合理性のみで物事を運ぼうとすれば、社会不安を励起するやもしれない。「企業は社会的公器」という言葉を、マスク氏にはお届けしたいです。