Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

透明・簡素・公平であって欲しい

 各省の概算要求が、そろそろ始まるころだ。先日も某省から、サイバーセキュリティに関する新施策についてのヒアリングがあった。またあるところの議論で、重要インフラ防御のための費用を、何らかの賦課金でできないかという話も聞いた。リアル空間の安心・安全についても、例えばEV車が普及してくるとガソリン税が減る。この税は道路などのインフラ整備の財源だが、EV車といえど道路は使うがどうしようか?との意見もあった。

 

 改めて思うと、日本の税制は複雑すぎる。何かの必要に迫られて「対処」を続けてきたせいか、屋上屋(例えば二重課税)のような外観に素人からは見える。税は「透明・簡素・公平」であるべきで、現状はその理想からは程遠いと思う。ちょっと絶望感に囚われていたら、こんな記事を見つけた。

 

自分の税金が、何にいくら使われたか一目でわかる豪タックス・レシートが素晴らしい|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

    

 

 うわ、政府から納税者に対しての「領収書」だ。自分の支払った税金が何に使われたのか、わかりやすく説明してくれているという。コモンウェルスの国は、こういうところって律儀だよね。各国の納税者からは、絶賛のコメントが寄せられているという。

 

 国民主権の重要な柱が納税、代表なき所に課税なしとのスローガンで独立戦争をした例もある。納税は市民の義務だが、その使途を知ることは権利である。権利は使わなければ腐ってしまい、その分国民主権がゆらぐことにもなりかねない。

 

 いろいろな意味で社会が変わっているから、税制にも柔軟な変更が必要だと(冒頭申し上げたように)思う。ただそれには現状を明らかにし、変化の本質を語り、その上での公平性を示してもらいたい。複雑にしてテクノクラート以外は分からなくする・・・なんて論外ですよ。